調査・データ市場調査会社のReport Ocean(レポートオーシャン、東京都中央区)は5日、日本の鉄道貨物輸送市場は2024年の254億8000万米ドルから33年までに994億2000万米ドルへと4倍近くの規模にまで拡大するとの予測を公表した。この間の年平均成長率(CAGR)は3.81%を見込んでいる。貨物輸送に対する環境配慮性へのニーズが高まるなか、今後、鉄道輸送はサプライチェーンを支える重要な基盤として存在感が高まるとしている。
レポートによると、日本政府は道路の渋滞を緩和し、トラック輸送によるCO2排出量を削減するため、鉄道輸送を重視しており、今後、電化鉄道インフラへの投資が加速すると予想される。鉄道貨物は、製造拠点や港湾、産業クラスターと主要都市の中心部を結ぶ重要なインフラになりつつあり、全国的な経済回復力を支えている。
日本での鉄道貨物輸送市場の拡大は、環境の持続可能性と技術革新、費用対効果と密接に結びついている。企業が物流戦略を環境基準に適応させていくにつれ、道路の貨物輸送に比べて温室効果ガスの排出量を削減できる鉄道輸送への関心が高まっており、自動スケジューリングやリアルタイムの貨物監視、AI(人工知能)を活用した予知保全など高度なデジタルシステムの採用による運用効率の向上も、企業の採用を後押ししている。また、エネルギーコストの上昇と需要の変動にかかわらず、鉄道は長距離輸送やバルク貨物でコスト面での優位性を保っている。
同社は「今後、日本の鉄道貨物輸送市場は従来の役割を超え、スマートモビリティー・エコシステムの中核的要素へと進化すると見込まれる。物流が産業の競争優位性を左右する要素となるなか、鉄道貨物輸送は国内外の貿易競争力を支える重要な基盤となり、鉄道貨物輸送の新時代が到来するだろう」としている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。