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中国冷凍食品市場、33年までに720億米ドル規模に

2025年9月10日 (水)

調査・データリサーチ・アンド・マーケット(アイルランド)は9日、市場調査レポート「中国冷凍食品市場の規模とシェア分析-成長傾向と予測レポート2025-2033」を発表した。

同市場は24年に322億米ドル規模と評価され、その後、年平均成長率(CAGR)9.35%で成長。33年には719億7000万米ドルに達すると予想されている。

中国の冷凍食品業界は、ここ数年で都市化、消費パターンの変化、利便性への需要の高まりに伴い、徐々に拡大している。特に都市部におけるタイトな労働スケジュールは、冷凍肉、冷凍魚介類、冷凍野菜、調理済み食品など、すぐに食べられ調理しやすい食事を選ぶことにつながっている。またコールドチェーン物流の変化も冷凍食品業界の成長を後押ししている。

市場の成長要因として、中国での可処分所得の増加がある。中国の消費者は収入の増加に伴い、冷凍食品をはじめとするインスタント食品を購入する経済的余裕が生まれている。また都市部の中流階級の増加は、栄養価が高く高品質かつ手軽な調理が可能な食事への需要も高めており、手軽な食事を求める働く層や家庭にとって、価格が手頃になったことで利便性とのバランスを取りやすくなった。

冷凍食品の利便性が向上したことも成長要因となっている。餃子、調理済み食品、スナックなどは品質を損なうことなく、迅速かつ便利な選択肢を顧客に提供。多忙なビジネスマンや学生、家族連れは特に魅力を感じているとされている。さらにEC(電子商取引)サイトの拡大に​​より、利便性とアクセス性が向上した。日常生活で利便性と品質を求める人々にとって、冷凍食品は依然として魅力的な選択肢となっている。

一方、市場の課題としては競争の激化がある。競争力のある価格で同等の商品を提供する新規参入企業が、既存企業にプレッシャーをかけており、熾烈な競争に起因する価格競争は企業の利益率を圧迫するケースも少なくない。顧客ロイヤルティを維持するためには、品質、イノベーション、ブランド戦略によって商品を差別化することが不可欠となる。

投入コストの上昇が大きな障害となっている。エネルギーや原材料、包装費の上昇は生産コストに影響を与え、メーカーの利益率を低下させる。さらに人件費や輸送費も上昇した場合、競争力のある価格を維持しながら品質を確保することがより困難になる可能性がある。こうしたコスト圧力は、生産者の収益性の低下や消費者のコスト上昇につながることが多いため、企業は効率性を高め業務を合理化するための方法を開発する必要がある。

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LOGISTICS TODAY編集部
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