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喫緊の課題はコストと24年問題、Univearth荷主調査

2025年9月22日 (月)

調査・データテクノロジーで業界全体の最適化を目指しているUnivearth(ユニバース、大阪市東成区)はことし7月、荷主企業の物流業務従業者200人を対象に、インターネットを通じてアンケートを実施し、「荷主企業の物流業務:実態調査レポート2025」をまとめた。改めてこのレポートに目を通してみると、今後の物流改革に向けた重要な問いが見えてくる。「物流コストの最適化」や「2024年問題への対応」といった目前の課題と、「CO2排出量削減」や「物流DX」という未来への投資にどう対処していくべきか。荷主企業の現状は、業界全体が取り組むべき構造的な課題を浮き彫りにしていると言えるだろう。

調査では、「今後1〜2年の最優先テーマ」を尋ねた。その結果、「物流コスト全体の最適化」が25.5%で最も多く、次いで「2024年問題への対応」が21.5%となった。これらの回答からは、物流面での課題が荷主企業の経営を直接的に圧迫している実態がうかがえる。

▲当面の最優先テーマは何か?(出所:Univearth)

より具体的には、例えば、配送リードタイムの長期化や不安定さが事業に与える影響については、46.2%が「販売機会の損失」を挙げており、売上に直結する問題として深刻に捉えている。また、2024年問題と関連性が深い「荷待ち・荷役時間の削減」については、59.0%が「重要な課題」だと認識しており、荷主側の当事者意識の高さを確認できた。

▲荷待ち・荷役時間削減は重要な経営課題か?(出所:Univearth)

一方で、環境問題への意識も非常に高い水準にある。物流におけるCO2排出量削減をどの程度重要視しているかという問いに対し、「非常に重要視している」(22.5%)と「やや重要視している」(39.0%)を合わせると、全体の61.5%が「重要」と回答した。

▲物流におけるCO2は排出量削減について?(出所:Univearth)

具体的なCO2削減策としては、「輸配送ルートの最適化、AI活用」(47.2%)や「モーダルシフト」(44.7%)などが上位に挙がり、多角的なアプローチを模索している。このように、多くの企業がサステナビリティへの取り組みを事業活動の前提と捉え始めている。

しかし、課題解決に向けた具体的な施策の実行には、依然としてハードルが存在する。積載率向上策として関心の高い「パレット標準化」については、41.0%が「初期コストの負担」を、35.3%が「取引先との調整」を障壁と感じている。また、物流データを「定期的に収集・分析し、具体的な改善活動に積極的に活用している」企業はわずか24.0%にとどまる。6割以上が物流DXに期待を寄せながらも、データに基づいた改善活動には至っていない企業が多いといった現状も浮き彫りになった。

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