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神鋼物流、構内機関車のアイドリングストップ実現

2014年1月16日 (木)

ロジスティクス神戸製鋼所は15日、物流子会社の神鋼物流が加古川製鉄所で受託運行している構内運搬用ディーゼル機関車の「アイドリングストップ化」を鉄鋼業界で初めて実現した、と発表した。

これにより、使用する総燃料消費量を25%削減し、CO2を年間1100トン、燃料コストを年間2500万円減らすことが可能となる。

製鉄所内では、製品の運搬には主に軌道による列車が使用されており、加古川製鉄所構内では総延長62キロの軌道を利用し、常時30台程度のディーゼル機関車が溶銑・溶鋼などの高温状態の溶融物、鋼材製品・半製品を24時間365日体制で運搬している。

一般的な鉄道での機関車運転と異なり、生産状況によって運行の頻度が大きく変化するため、構内の入れ替えや次の工程までの待ち時間が長くなることが多くある。神鋼物流が調査を行ったところ、稼働率は平均して50%という結果が出ている。

高温状態の溶融物や製品を輸送するため、エンジン故障などで機関車が動けなくなった場合、生産に重大な影響を及ぼす可能性があることから、待機中でも常にアイドリング状態としていることが普通となっていた。

同社では「CO2の無駄な発生につながり地球温暖化防止の観点から問題であり、加えて燃料価格が上昇傾向にある昨今ではコスト面でも負担が大きくなっているという問題意識があった」と取り組みの背景を説明。

そこで、神鋼物流は独自にディーゼル機関車の制御系統に改良を施し、業界で初めてアイドリングストップ機能の追加を実現した。

これまでも鉄道会社でハイブリッド化によるアイドリングストップ化が行われた例はあるが、ディーゼル機関車で自動車と同様にエンジンを完全にストップさせる機能は初めてだという。

同社では「今後、ほかの事業所にも展開を図る」としている。