ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

三菱ロジスネクスト、JIPによるTOBに賛同表明

2025年10月1日 (水)

M&A三菱重工業の子会社で、フォークリフト大手の三菱ロジスネクストは9月30日、投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP、東京都千代田区)から提案のあったTOB(株式公開買い付け)に賛同すると発表した。株主に対してはTOBに応じるかどうか判断を任せるとした。TOBはことし12月下旬ごろに開始される予定で、JIPは全株取得を目指す。TOBが完了すれば、東京証券取引所スタンダード市場に上場している同社は上場廃止となる。

三菱ロジスネクストは2017年、ニチユ三菱フォークリフトとユニキャリアの経営統合によって設立され、現在は三菱重工が株式の64%を保有している。

同社は昨年8月、三菱重工から事業再編を進めるため、株式を売却し資本関係の見直しを行いたいとの申し出を受け、話し合いを重ねてきた。同社は株式の売却や投資ファンドの傘下に入ることへの懸念を示し、対案を提出するなどしたが、三菱重工側の株式売却の意思は固く、同社も投資ファンドへの売却を受け入れたという。

入札を実施した結果、売却先としてJIPが決定し、買い付け価格などを巡る話し合いを続けてきたが、同日、JIPから提案のあった1株1537円などとする提案を受け入れTOBに応じることを決めた。

最低買い付け数は241万700株で、JIP側が39%を占める一般株主の全株式を取得できなかった場合もスクイーズアウト(強制買い取り)を実施した後、残る三菱重工の保有株も取得して、全株式を取得する。TOBでの買い付け総額は585億を見込んでいる。

一連の手続きは来年3月に完了する予定で、三菱重工は保有株式を1株1081円、総額745億円で売却する。株式売却は税額を考慮し、TOBに応じたときと税引き後額が同水準になるよう決めた。その後、三菱重工は議決権の無いB種優先株200億円、 D種種類株式100億円の計300億円を再出資する。

三菱重工は成長領域として、原子力や防衛、データセンターなどへの投資を最優先課題としており、フォークリフト直販網の拡充のほか、AI(人工知能)や自動化へ対応などで多額の投資が必要な同社については、新たな事業パートナーのもとで、経営基盤の強化を図ることが必要だと判断した。

同社は株式売却にともない、事業再編関連損失として2026年3月期に300億円を計上する。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。