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AIが航海の安全や最適化支援、ウェザーニューズ

2025年10月3日 (金)

サービス・商品気象情報サービスのウェザーニューズは2日、船舶の運航を支援する航海気象サービス「SeaNavigator」(シーナビゲーター)にAI(人工知能)エンジンを搭載し、新たに気象・海象見解の自動生成や荒天影響船を自動抽出する「AI Weather Insight」と、膨大な海象や航海データの分析で運航最適化を支援する「AI Agent」のサービスをリリースしたと発表した。

SeaNavigatorは大型から中小型まであらゆる船舶の環境・安全・経済に配慮した運航を支援する統合型の航海気象サービスで、昨年10月から提供している。利用者は最適なルートを選定できるほか、CO2排出量の可視化や座礁の回避など、航海前から航海終了後まで必要なあらゆる情報を把握できる。

(クリックで拡大、出所:ウェザーニューズ)

新機能のAI Weather Insightは、AIを用いて5日先までの全世界の海域における気象・海象見解をテキストや表で自動生成。利用者は熱帯低気圧の発生確率などを考慮に入れた最新の概況文をいつでも入手できる。また、利用者の船舶の最新位置情報と航路情報をもとに、AIが荒天の影響期間や遭遇状況を自動分析し、利用者は荒天の影響を受ける船を瞬時に把握できる。

これによって、利用者は従来のようにパソコン上で気象と船の位置を動かして荒天影響船を推定したり、ウェザーニューズの専門家に問い合わせたりする手間がなくなる。社内での荒天影響船の共有が容易になり、ルート変更などの判断や遅延のリスク把握が迅速にできるようになるため、安全性と効率性の両立が期待できる。

これまで同社では、航海気象事業部の専門家が世界の予報をもとに気象見解を作成し、船舶の位置情報や航路から台風など荒天の影響が大きい船を抽出して海運事業者に伝えていたが、荒天時には業務がひっ迫し、平常通りの頻度での情報提供が難しいこともあった。このため、海運事業者が自分たちで情報分析できるようAIシステムを開発した。

また、AI Agentは、契約船舶に関する膨大な航海データをもとに、船舶性能に関する情報をチャット形式で取得できる。契約船舶の性能データのほか、IMO番号や船舶仕様など航海基本情報、航海履歴、船舶の位置情報にもアクセスできる。

このため「自社の船舶のなかで、過去3か月で燃費が最も高く、スピードも速い船をランキングしてほしい」や「有義波高が4メートルを超える場合に、最も燃費の良い船を教えてほしい」などと質問するだけで、AIがテキストやグラフ、チャートで分析結果を回答する。これによって、担当者が自分で情報を収集して分析する手間が省け、分析に必要な時間や質が大幅に改善する。

同社では今後も、船主や船舶管理会社、運航船社からのフィードバックをもとに、AI Agentの機能の拡張や新たなAIシステムの開発に取り組むとしている。

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