調査・データReport Ocean(レポートオーシャン、東京都港区)は3日、日本の産業用ロボット市場が2024年の14億ドルから、33年には33億2000万ドルにまで拡大するとの市場予測を発表した。年平均成長率(CAGR)は9.86%とされ、今後10年間で市場規模が2倍以上に拡大する見通しだ。
この成長の背景には、日本の製造業が直面する深刻な人手不足や、労働生産性向上への需要がある。特に自動車、電子機器、精密機械分野では、高度な自動化設備の導入によって生産ラインの効率化と品質の安定化が進んでおり、ロボットへの依存が高まっている。従来の定型作業だけでなく、柔軟な生産に対応する協働ロボット(Cobot)や自律走行搬送ロボット(AMR)の導入も広がっており、中小規模の工場でも自動化が可能になっている。
技術面では、人工知能(AI)、機械学習、センサー、IoT(モノのインターネット)の進化がロボットの機能性と運用効率を飛躍的に高めている。これにより、予知保全やリアルタイム監視が実現し、設備稼働率の最大化やダウンタイムの削減に寄与している。
さらに、日本政府は「Society 5.0」や「製造業のスマート化推進政策」の一環として、産業用ロボット導入に対する税制優遇措置や補助金制度を提供。これが企業の投資意欲を後押ししており、国内市場の成長を下支えしている。また、産学官の連携による研究開発や標準化活動も進み、日本製ロボットの国際競争力の強化と輸出拡大にもつながっている。
今後は、自動車や電子産業に加え、食品・飲料、医薬品、物流分野へのロボット展開が加速する見込み。なかでも、包装、検査、マテリアルハンドリングといった工程でのロボット導入が期待される。Report Oceanの調査は、これらの動向を踏まえた戦略立案に資する資料として注目される。
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