産業・一般九州での半導体産業の育成を目指す「九州半導体人材育成等コンソーシアム」の第7回会合が17日に開催され、サプライチェーン強靭化に向けた今年度の取り組みの中間発表が行われた。ことしは工場建設のマネジメントセミナーを4月に開催したほか、半導体関連の協議会を設置している九州各県と北九州市との意見交換を行った。今後、12月に半導体関連の商談会「チャレンジマーケット2025」を開催するほか、半導体製品や生産材、装置などの九州域内での共同配送の実現に向けて、試験運用を開始する。
コンソーシアムは、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県進出を受け、九州経済産業局が企業や大学に呼びかけて22年に設立された。九州の産学官121機関が参加し、九州経済産業局と九州半導体・デジタルイノベーション協議会が共同で事務局を務めている。
共同配送は半導体関連の生産材や設備、資材、製品が対象で、集中拠点のセンターハブのほか、各地域の拠点となる地域ハブを設けて、センターハブと地域ハブを結ぶ幹線便と、地域ハブから各企業を循環する循環便を運行する。さらに、センターハブから全国各地への配送を目指す。
現在、5社が参画に同意しており、今年度中に随時、トライアル運行を行い、26年4月からは毎日、定時の本格運用を開始する。
チャレンジマーケット25は12月19日に、三菱電機パワーデバイス製作所(福岡市西区)で開催する。「プロセス・材料・装置・評価技術」の「高性能化」「環境性能向上」をテーマに89件のニーズを提示し、大手半導体関連企業と中堅・中小企業のビジネスマッチングの拡大を目指す。
昨年度は31社が参加し、2件が成約、10件が現在も商談中となっている。商談中止となった案件の多くは精度や納期が課題となった。
また、工場建設マネジメントセミナーは4月16日に「構想段階における計画とマネジメント」をテーマにオンライン方式で開催。工場建設プロジェクトで実際に起こった事例を交え、建設費高騰への対応などを学んだ。
九州経済産業局によると、21年以降九州では、わかっているだけで162件、4兆8158億円の新規投資が計画されている。コンソーシアムでは「地域の産学官に加え金融機関が連携し、地場企業がサプライチェーンに参入するための取り組みが必要だ」としている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。