サービス・商品戸田建設(東京都中央区)は23日、建設業界向けDX(デジタルトランスフォーメーション)システムの開発を手がけるGRIFFY(グリフィー、千代田区)と共同で特定車両検知システムを開発したと発表した。道路上を走行する全ての車両の中から工事車両を検知し、現場の警備員や一般車両に注意を促すほか、救急車などの緊急車両のサイレン音を検知して工事車両などが走行を妨げないようにする。
システムは、GRIFFY製のAIカメラ「PROLICA」の技術を活用した「特定マーカーAI検知モデル」と、救急車などの緊急車両のサイレン音を検知し、工事車両の出場を制御する「音声AI検知モデル」の2つの技術で構成されている。
特定マーカー検知では、工事車両出入口の手前に一般車両向けに設置するLED式の予告看板と、屋外対応の高性能AIカメラを組み合わせて運用する。AIカメラは、工事車両にあらかじめ取り付けた特定マーカーをリアルタイムで画像認識し、検知すると同時にLED看板の表示を工事車両の接近を知らせる内容に切り替える。これによって後続の一般車両に対し、前方に工事車両が存在することを伝えて注意を促す。さらに、工事車両出入口に設置された回転灯も点灯させ、現場のガードマンに対しても注意喚起する。
音声検知モデルは、工事車両出入口付近に設置された集音マイクが、100メートル手前から接近してくる緊急車両のサイレン音のみを拾い、AIがリアルタイムで検知する。緊急車両の接近を認識すると、工事車両出入口に設置された回転灯や遮断機が自動的に作動し、工事車両の出場を一時的に停止して、緊急車両の走行を妨げないようにする。
通常の工事現場では、出入りする工事車両が他の一般車両や歩行者などと接触しないように警備員を配置し、車両の出入りを周囲に知らせる装置なども設置されているが、従来の技術の多くは、工事車両が出場する際の安全確保に限定されていた。入場する車両は、警備員が目視で確認するしかなく、周囲を走行する車両の中から工事車両を検知する技術はなかった。
システムの開発では、救急病院近くの実際の工事現場で、AIの学習を行った。当初、カメラによるマーカーの識別の正解率は36.4%、サイレン音の検知では18.9%だったが、識別アルゴリズムの改良を重ねた結果、最終的にはそれぞれ99.4%、98.1%まで精度を向上させることに成功した。
同社では今後、交通量が多い幹線道路などを中心にシステムを導入して、さらなる精度向上を図り、交通災害ゼロを目指すとしている。
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