調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)は6日、10月の景気動向調査の結果を公表した。景気DIは前月比0.5ポイント増の43.9となり、5か月連続で改善した。高市早苗新政権への期待などによる株高を受け、幅広い業種で景況感が持ち直す動きが続いている。5か月連続の改善は2020年10月以来、5年ぶりとなる。
10月は、日経平均株価が5万円を突破して連日過去最高値を更新し、為替レートはおおむね150円台で推移した。デジタル関連の設備投資意欲は強く、自動車の生産も堅調だった。さらに、農畜産物の価格上昇が生産者心理を下支えし、公共工事の発注増もプラスに働いた。一方で、原材料や物流費の上昇によるコスト負担の増加や人手不足が、改善の勢いをやや抑える要因となった。
業界別に見ると、10業界中、「その他」を除く9業界で改善した。「運輸・倉庫」は44.2で前月比1.0ポイントのプラスだった。最もDIが高かったのは「農・林・水産業」で同5.2ポイント増の51.8と、04年12月以来20年10か月ぶりに50を超えて過去最高となった。鶏卵価格の上昇や米価の高止まり、鶏肉などの食肉価格の上昇が生産者にとってプラスに働いた。
また、「不動産」も49.9と0.6ポイント増で、3か月連続で改善した。首都圏など大都市での取引が活況で、商業施設の賑わいなども景気を押し上げている。「投資物件に対するファンドなどの購買意欲も高い」との声もある。
規模別では、「中小企業」が0.6ポイント増の48.0、「小規模企業」が0.7ポイント増の42.2とどちらも改善し、今年最高水準となった。一方で、「大企業」は0.2ポイント減の48.0と悪化し、中小企業との規模間格差がやや縮小した。
中小企業では大企業の設備投資の動きを受け、機械製造を中心に製造業が全体をけん引している。小規模企業は農林水産業が全体の改善に寄与した。大企業は価格上昇が落ち着き始めたことから、景況感も押し下げられた。
地域別では、10地域中、北海道を除く9地域が改善した。不動産や建設関連の需要が地域経済を後押ししている。
今後について同社は「高市政権の経済政策に関心が集まり、ガソリンの暫定税率の廃止など物価高対策による実質購買力の回復が焦点となる。財政拡大にともなう長期金利の上昇や日銀の政策金利の引き上げ、為替レートの変動、トランプ関税の影響には注視が必要で、人手不足も重い課題となっている」と指摘。「景気は一進一退を繰り返しながら、緩やかな持ち直し基調をたどると見込まれる」としている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。















