調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)は3日、11月の景気動向調査の結果を公表した。景気DIは前月比0.2ポイント増の44.1となり、6か月連続で改善した。観光産業や半導体需要が好調で、改善傾向が続いている。6か月連続の改善は2020年11月以来、5年ぶりとなる。
11月は、秋の旅行シーズンを迎え観光産業が堅調に上向いたほか、AI(人工知能)需要の拡大によって半導体や電気機械関連の生産も好調だった。設備稼働率は改善傾向にあり、サービス業を中心に労働者の時間外労働が増加している。しかし、原材料など仕入れ単価の上昇や、熊の出没による外出控えはマイナス要因となった。
業界別に見ると、「運輸・倉庫」「卸売」など4業界で改善、特に「農・林・水産」は52.7となり2か月連続で過去最高を更新した。一方、5業界が悪化し、横ばいは1業界だった。
「運輸・倉庫」は45.5で前月比1.3ポイント増と2か月連続で改善した。特に秋の旅行シーズンで、観光バスが堅調に推移した。冷凍・冷蔵製品の需要拡大から倉庫関連も上向いており、自動車関連の回復やEC(電子商取引)需要の増加などから一般貨物輸送も好調だった。ただ、依然としてドライバー不足などが重荷となっている。
このほか、「卸売」が40.8で同0.5ポイント増となり、2か月連続の改善。「サービス」も48.9で0.3ポイント増となり、3か月連続で改善した。
規模別では、「大企業」48.5で同0.5ポイント増、「中小企業」が43.3で同0.2ポイント増と改善したものの、「小規模企業」は42.1で0.1ポイント減と2か月ぶりに悪化した。特に「大企業」は高い設備投資意欲を維持している。「大企業」と「中小企業」との規模間格差は再び拡大し、5.2ポイントの差となった。
地域別では、10地域中、南関東や四国など5地域が改善、北海道など5地域が悪化した。都道府県別では、改善が25、横ばいが8、悪化が14だった。建設やイベント関連需要などが地域経済の明暗を分けた。
全国で最も高いのは南関東の46.9で、同0.5ポイントの増だった。2か月連続で改善している。化学品卸売を含む「『卸売』や「建設」がけん引役となっている。四国は43.1で同1.1ポイント増え、5か月連続の改善だった。インバウンド需要の高まりを背景に、「サービス」が上向き、徳島を除く3県が改善した。
一方、北海道は42.6で、同0.8ポイント減。2か月連続で悪化した。水揚げ量の激減で「製造」が悪化したのが響いた。
同社は「底堅い旅行需要や、半導体などAI関連の設備投資が景気を下支えする一方、長期金利の上昇や日銀の政策金利引き上げ、為替レートの変動、日中関係の不安定化、人手不足が懸念材料となる」としたうえで、今後の景気について「小幅な変動をともないながら、緩やかな持ち直しが続くと見込まれる」とした。
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