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三菱鉱石輸送、郵船開発の船舶管理「NiBiKi」導入

2025年11月13日 (木)

認証・表彰三菱鉱石輸送(東京都千代田区)は10月31日、日本海事協(Class NK)の追加審査を受け、新しい船舶管理システム(NiBiKi)導入の国際安全管理(ISM)適合証書(DOC)を取得したと発表した。

NiBiKiは、同社の親会社の日本郵船が開発した船舶管理プラットフォームで、グループ共通の安全管理システム(SMS)マニュアルと、船上業務申請ワークフロー(モジュール)で構成されている。安全管理マニュアルと各種モジュールを使用することで、船と陸の間での船上業務のモニターや承認をシステム上で完結でき、これによって船上や陸上での業務の効率化、船舶管理品質の引き上げを図る。

同社は、海外から輸入する鉄鉱石を輸送するため、三菱商事、三菱鉱業(現・三菱マテリアル)などの共同出資で1959年に設立された。船主業、船舶管理業を軸に、ばら積み船や自動車専用船など計14隻を展開している。23年4月に日本郵船の完全子会社となった。

同社によると、それまで使っていたシステムが老朽化したうえ、高度化が進む安全管理マニュアルを限られた人材でアップデートし続けることが困難になってきていた。このため、プラットフォームとマニュアルの両方をNiBiKiでそろえたほうが移行しやすく、日本郵船グループとしての協働もしやすいとの判断から、昨年10月に導入を決めた。

旧システムでは船などから管理担当者などに報告や申請をする際、専用テンプレートに書き込んだものをメールで送っていたが、NiBiKiでは各種報告や船上整備作業の内容確認、本船への指示、承認などをシステム上でやり取りできる。

社内では当初、NiBiKiのSMSマニュアルに切り替えることに対して、「マニュアルは我々の命、自主・独自路線を継続すべき」「NiBiKiに関して我々は後発組、先行するグループ会社と同じ土俵に立つと競争に勝てない」などといった声もあがったが、より大きな視点で改革を進めるべきだと判断したという。

同社は、クルーと陸上勤務の管理担当の間で人事のローテーションを実施するなど、両方の仕事を知っている人が多く、現場の船員と陸上勤務者の距離感の近さが強みとなっている。そうした環境から、クルーと陸上勤務者の連携が自然に取れ、マニュアルの運用を末端まで徹底できると考えた。

同社では「末端のクルーまでSMSマニュアルを理解し、しっかり運用することで他社と差をつけられる。末端まで浸透させることで、親会社の日本郵船に現場の声を届けやすくなる」などとしている。

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