環境・CSRアサヒ飲料(東京都墨田区)とカゴメ(名古屋市中区)、栃木県那須塩原市は13日、同市の環境ビジョン「2050 Sustainable Vision那須塩原ー環境戦略実行宣言ー」の実現や地域の活性化などに向けて包括連携協定を結んだと発表した。協定に基づき3者は、同市内の家庭から回収された使用済みペットボトルを飲料容器として再生させる「ボトルtoボトル」リサイクル事業を開始する。
ボトルtoボトルによるリサイクルで、石油由来のペットボトル素材を調達し製造する場合に比べ、CO2の排出量を抑えられる。今回の取り組みでは、「メカニカルリサイクル」(物理的再生法)と「ケミカルリサイクル」の2つのリサイクル手法を組み合わせ、メカニカルリサイクルの工程で発生するパウダー状の「残余物」をケミカルリサイクルし、リサイクル率の向上を目指す。
メカニカルリサイクルは、回収したペットボトルを高温で溶かし、異物を取り除いてペット樹脂を再生する手法で、ケミカルリサイクルは、ペットボトルを分子レベルにまで化学分解して不純物を取り除き、新たな再生ペット樹脂にする。ケミカルリサイクルの方が高品質の再生ペット樹脂になるが、コスト面では大がかりな分解設備などが不要なメカニカルリサイクルの方が優れている。
このため、今回の取り組みでは、主にメカニカルリサイクルを行うが、リサイクルの工程で20%の残渣が発生してしまう。このうちの5‐10%の残余物にはペットボトル素材が含まれているため、残余物をケミカルリサイクルすることで、効率的なリサイクルが実現できる。
こうして再生されたペット樹脂は、再びペットボトルの原料となり、飲料容器として再使用される。
また、アサヒ飲料は、大気中のCO2を吸収する機能を備えた「CO2を食べる自販機」を市内に設置し、CO2排出量の削減を図る。自販機の内部に特殊な吸収剤が組み込まれており、1台当たりの年間CO2吸収量は、稼働電力由来のCO2排出量の最大20%、スギに置き換えると約20本分に相当する。同社では23年から設置を開始し、ことし9月までに全国で3700台設置している。
また、カゴメは住民の健康増進のため、同社の推定野菜摂取量測定機「ベジチェック」を活用して、野菜摂取の促進を図る。ベジチェックはセンサーを手のひらにあてるだけで、推定野菜摂取量が30秒で表示され、医療機器ではないが、食生活などの改善の目安として活用できる。
両社は「環境分野での連携を中心に、市との協働で地域の課題の解決に取り組んでいく」としている。
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