ロジスティクスロート製薬と富士通は1日、サプライチェーン(SC)の最適化に向け、複数企業のAI(人工知能)エージェントを連携させる新技術の実証実験を2026年1月から開始すると発表した。SCの複雑化や人手不足が深刻化するなか、工場・倉庫・物流をつなぐCPS(サイバーフィジカルシステム)と、富士通の「マルチAIエージェント連携技術」を組み合わせ、調達・生産・配送の自律的な最適化を目指す。
ロート製薬は22年から上野テクノセンター(三重県伊賀市)にCPSを実装し、物流を含む生産・在庫データの見える化を進めてきた。今回の実証では、AIが企業間の条件調整を担い、出荷拠点の在庫補充、工場・倉庫間の輸送ルート設計、生産スケジュールの最適化、災害時の復旧計画など、従来は人の判断に依存してきた領域の高度な自動化に挑む。
富士通が開発したマルチAIエージェント技術は、企業の機微情報を共有せずに全体最適を導き出す制御技術と、企業間のAIを安全に接続するゲートウェイで構成される。仮想SCでの検証では運搬コストを最大30%削減できる可能性が示されており、情報を一元集約せず「必要な範囲のみを共有しながら連携する」点が特徴だ。
26年1月から27年3月にかけてロート製薬の実データを用いた大規模検証を実施。需要変動に強いレジリエントなSC構築と、CO2排出削減、在庫最適化、人手不足対応などの成果を狙う。富士通は今後、製造業全体への展開を見据え、COCN(産業競争力懇談会)の「AIスペース」構想にも参画し、企業間で安全にAIが連携できる基盤づくりを進める。
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