サービス・商品中国深センに本社を置くプードゥ・ロボティクスは3日、複雑な実環境向けに設計された産業用自律型四足歩行ロボット「PUDU D5シリーズ」を発表、同日から6日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されている「2025国際ロボット展」で披露した。

▲PUDO D5シリーズ
D5シリーズには、脚式モデルと車輪式モデルがあり、従来の構造化環境に限定されていたサービスロボットの用途を、屋外や工業施設などの未構造・過酷環境にも拡張することを目的としている。
同社のサービスロボットは、レストランの配膳などでも普及しているが、D5シリーズでは、その優れた踏破性能を生かし、屋外のラスト配送での活用を見据える。レストランやホテルなど、平坦で障害物が少ない商業施設内での導入だけではなく、点検、巡回、物流支援、緊急対応といった業務を、屋外や工業キャンパスなどの複雑な地形でも自律的に行うことが可能である。屋外運用を想定した防塵・防水性能、全天候対応設計も特長だ。
展示会場では、自動車グレードのコンピューティングシステムを搭載した完全自律の稼働、高性能の演算性能によるリアルタイムSLAM、障害物回避、物体認識、経路最適化などのマルチタスク処理機能などを紹介。4速歩行によるスムーズな階段の上り下り、位置調整などを実演した。
ラストワンマイル配送への活用では、配送者に追随する形での運用が想定される。階段や砂利道、芝生などにおいても30キロの荷物を運んで踏破できるため、配送員の負荷を大幅に削減することができる。ファミレスでは同社の「ネコ型配膳ロボ」が親しまれたように、「配送領域の活用が広がれば、ロボット自体への親近感を通じて導入企業のイメージ向上にもつながるのでは」と、Pudu Robotics Japan(中央区)日本ゼネラルマネージャーの楊嘉祥氏は語る。
さらに、楊氏は「1台のトラックに複数台のD5シリーズを積み込んで、ステーション拠点から複数の配送先に一気に自動配送するような運用も将来的には実現する」という。最大で100万平方メートルの施設内マッピングが可能で、1回の充電で最大14キロの走行ができることから、空港や地下鉄構内、工業キャンパスなどの大規模インフラ環境でも運用でき、最終配送の大幅な効率化が実現できると解説した。
「これまでも多様な4足歩行ロボットの提案はあったが、社会実装を目指して開発したことがR5シリーズの特長。配送の課題解決に貢献することはもちろん、さらには盲導犬のような使い方で障がい者ケアなどの現場にも展開できる」(楊氏)
今後は、同社が展開する各種ロボット群との連携を強化し、屋外や産業インフラ領域での点検、物流、警備といった分野での本格導入を図る方針。特に従来人手に頼ってきた業務の自動化・持続化を進めることで、ロボットによる社会インフラの効率化を目指すという。

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