ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

北海道で宅配網をデポ化、佐川らが国交大臣表彰

2025年12月8日 (月)

認証・表彰国土交通省は8日、2025年度「物流パートナーシップ優良事業者表彰」の受賞案件を公表し、最優秀となる国土交通大臣表彰に「北海道における宅配拠点と物流DXを活用したドラッグストア店舗納品の効率化」(佐川急便、サッポロドラッグストアー、PALTAC)が選ばれた。グリーン物流対応と2024年問題を同時に射程に入れた実践的スキームとして評価された。

対象はPALTAC北海道RDCから道内各地のサツドラ店舗への納品ネットワーク。従来は長距離幹線便がそのまま店舗まで走るケースが多く、低積載のまま遠距離運行せざるを得ない状況や、委託構造が複雑で運行実態の把握が難しい点が課題となっていた。改正物流総合効率化法への対応が求められるなか、ドライバーの拘束時間・運転時間の是正とCO2削減がテーマとなっていた。

3社はまず、PALTAC側でセンター稼働時間を見直し、拠点を運送会社の車庫としても活用することで“動ける時間”を最大化。佐川急便の営業所など宅配拠点を「デポ」として位置づけ、幹線便と中・短距離配送を分離した。トレーラーでデポまで運び、そこから小型車両で周辺店舗を効率的に回る構造へと再設計した。

受け側のサツドラ店舗でも荷受け時間や車格条件を調整し、積載効率とルート最適化を両立。佐川手配車両には動態管理端末を搭載し、GPS情報で運行状況を可視化することで、ムリ・ムダ・ムラの是正と負荷平準化、労務管理の適正化を進めた。

その結果、トラック走行距離は年64万キロ超(25.7%)、走行時間は1万2200時間(22.5%)削減。CO2排出量も404.5トン(18.9%)減となり、北海道という広域エリアで宅配網とドラッグストア物流を組み合わせた構造改革が、環境負荷・労働負荷の両面で成果を上げた。

このほか、部門賞として「物流DX・標準化表彰」に三甲パレットレンタル・大塚倉庫らによる医薬品物流の共通パレット基盤構築、「強靱・持続可能表彰」にNEXT DELIVERYと山梨県小菅村・丹波山村らによるドローン×共同配送による中山間地域の物流再編、「グリーン物流パートナーシップ会議特別賞」に北海道ロジサービスらの飲料と包材の混載による長距離輸送改善が選出された。

グリコ×卸の段積みチルド共同配送に経産大臣表彰

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。