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八戸港が液状化、青い森鉄道は再開へ【9日12時】

2025年12月9日 (火)

ロジスティクス青森県東方沖で8日深夜に発生したマグニチュード7.5(暫定値)の地震は、発生翌日の9日昼時点でも物流インフラに影響を及ぼし続けている。国土交通省の9日12時時点の発表によれば、道路・鉄道・港湾など貨物輸送に直結するインフラで新たな被害や通行規制が確認された。

道路では、被害が集中していた三陸沿岸部に加え、青森県八戸市の国道45号・塩町第3高架橋オフランプで橋台損傷が判明し、同区間が通行止めとなった。補助国道でも1区間の通行止めが続き、山間部の生活物資輸送を含む周辺物流に影響が及んでいる。また、倒木による県道の通行止めが1区間で確認されたほか、北海道でも一部道路でパトロールが続いている。寒気の流れ込みによる降雪が予想され、二次災害による規制拡大が懸念される。

鉄道では、青い森鉄道線(三沢-小川原間)で折損していた継目ボルトの復旧作業が9日朝に完了し、正午から運転再開を予定。一方で、東北新幹線の盛岡〜新青森間は運転見合わせが続き、在来線も5事業者11路線で運休するなど、依然として広範囲で影響が残る。

港湾では、八戸港のフェリーターミナル岸壁で液状化によるひび割れが新たに確認された。フェリー運航への直接の支障はないものの、岸壁構造物の健全性は貨物取扱能力に影響し得るため、詳細調査が進められている。青森・岩手・北海道の主要港湾でも点検が続き、物流拠点としての完全な機能回復には時間を要する見通しだ。宅配便では、北海道で2事業者が一部地域の集配遅延を報告。高速バスも2路線で運休が続き、地域物流の乱れが広がっている。

被災地域の物流事業者への影響

こうしたインフラ被害が明らかになるなか、被災地域の物流現場でも具体的な影響が出始めている。

倉庫業などを手がける共同物流サービス(青森県八戸市)では、倉庫内で飲料・食品の落下などの被害が発生した。特に八戸卸センター内の第一物流センターで被害が大きく、電動式パレットラックが損傷。入れ替えが必要な状況で、完全復旧は年明けになる見通しだ。配送業務にも一部影響が及んでいる。

青森県トラック協会によると、「県内の各支部と連絡を取っているが、現時点で物流全体に大きな支障が出ているという報告はない」という。八戸市内では一部道路の冠水情報があったものの、「そのほかの道路を含め、大きな障害となる被害は把握していない」と説明している。

苫小牧港では、津波到達を受けて港湾管理組合が緊急点検を実施。岸壁・エプロン・荷さばき地などで地震や津波に伴う構造的損傷は確認されておらず、現時点では港湾機能に支障はないと報告された。前回のカムチャツカ半島地震時と比べ、津波警報・注意報が早期に解除されたことから、施設運用への影響は限定的だったという。同管理組合は「午前9時時点では、沖合待避していた船舶の帰港が重なった程度」としている。

苫小牧西港-青森・八戸港間を結ぶ「シルバーフェリー」を毎日4便体制で運航する川崎近海汽船(東京都千代田区)は、9日定期船に関しては全8便中4便が到着時刻遅延によりダイヤを乱しての運航予定だが、そのほかは通常運航予定。10日に関しては苫小牧5時発便の到着時刻遅延を除き、全便通常運航予定としている(9時40分時点)。

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