調査・データサプライチェーンの可視化システムの開発などを手がけるproject44(米・シカゴ)は9日、ことしの世界の海上貿易がどのように推移したかをデータに基づいて分析したレポート「海上輸送概況レポート(2025年版)」を公表した。ことしは米中間での関税を巡る対立が激化したこともあって、荷主企業の間で中国依存から脱却する動きが強まった。
同社によると、世界のコンテナ取扱量は年初から13%減少し、特に米国の中国からの輸入は27%減少した。
トランプ関税を巡る米中間の貿易摩擦が激化するなか、船会社は数百件の航海をキャンセルし、太平洋横断航路の運航能力の再配置を行った。欧州向け航路でも、インフレ下で消費需要が低迷したのに加え、超大型コンテナ船の導入も進み、供給力と需要の不均衡の拡大から抜港も増加した。
一方の荷主側では、製造企業や小売企業を中心に、中国依存を低減するための戦略見直しが進んでいる。その結果、中国から米国への輸入が減少する一方、インドネシアやタイから米国への輸入は30%以上増加した。
また、パナマ運河では干ばつからの回復によってコンテナ取扱量が37%増加し、状況が安定すれば、航路が回復することを示した、スエズ運河は地域紛争が続く影響で依然として低調で、国際的な物流の脆弱性を浮き彫りにしている。
同社は「ことし成功した企業は、何が起きているのかをリアルタイムで把握するインサイトを備えていた。変化をいち早く察知し、迅速に再配分し、確信を持って実行できた企業こそが新たな競争優位性を確立する」としている。
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