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編集部が見た最新物流ニュース雑感(1/1-15)

2026年1月16日 (金)

ロジスティクス本誌編集部の記者たちが、1月上旬で注目した物流ニュースを取り上げ、その背景や今後の影響について座談会形式で語り合いました。記事本文だけでは伝えきれない現場の空気感や取材の視点を、読者と共有するのが狙いです。

中小零細の廃業進む、黒字休廃業は5割下回る/休廃業・解散が3年連続最多、TSR調査で6.7万件

東京商工リサーチおよび帝国データバンクの調査によると、2025年の全国企業における休廃業・解散件数は6万7000件を超え、3年連続で過去最多を更新した。物流業界においても、深刻な人手不足や24年問題への対応コスト増が重なり、中小零細企業の経営継続が困難になる事例が目立っている。特筆すべきは、資産が負債を上回る「黒字」状態での休廃業率が5割を下回った点であり、経営体力が限界に達する前に事業を畳む、あるいは先行きの不透明感から出口戦略としての廃業を選択する企業が増加している実態が浮き彫りとなった。

記者A「休廃業が過去最多という数字が出たけれど、物流業界でもM&Aの動きが非常に活発になっているよね。ただ、現場の話を聞くと、少し潮目が変わってきている感じもする」

記者B「そうだね。これまでは車や人を確保するためにM&Aを、という勢いがあったけれど、最近はある大手幹部からも、買収したくてもまともに経営が成り立っている健全な会社がもう残っていない、という声が漏れ始めている」

記者C「M&Aがブームのようになっている一方で、最近は悪質な仲介会社の存在も耳にする。成長を謳う提案であっても、実態はデューデリジェンス不足で失敗するケースが少なくない。仲介会社によって、調査資料が数十ページに及ぶところもあれば、A4数枚で済ませてしまうところもあるというから驚きだ」

記者B「間接部門やIT投資は規模の経済が効くから、業界の再編自体は不可欠だ。でも、今は海外人材の仲介も含めて偽物が紛れ込みやすい時期。大手だから安全というわけではなく、荷主や物流企業側にも確かな目利き力が求められているね」

RFIDタグ市場、32年までに290億ドルへ拡大

インドの調査会社VMRのレポートによると、世界のRFIDタグ市場は32年までに290億ドル(4兆4000億円)規模へ拡大する見通しだ。24年の158億ドルから、年平均成長率(CAGR)7.9%という高いペースで成長が続くと予測されている。主な成長要因は、EC(電子商取引)の拡大に伴う在庫管理の高度化やサプライチェーンの可視化ニーズの高まりである。技術面ではUHF帯タグの採用が進み、アパレルからヘルスケア、自動車産業まで広範な分野での導入が加速する。一方で、日本国内においてはコスト面や導入に伴う既存オペレーションの変更が課題として残っている。

記者B「RFIDの市場予測が出たけれど、やっぱりこの技術は物流効率化の鍵になると思う。車両の探索や倉庫管理の自動化など、ポテンシャルは計り知れない」

記者A「ユニクロやコンビニのセルフレジを見ると、その便利さは実感するよね。一括で読み取れるのは大きな魅力だ」

記者C「ただ、物流現場への普及には根深い課題がある。一つはコストの二重構造。ICタグを導入しても目視確認のために従来のラベルを廃止できず、追加コストが発生してしまう。また、日本特有の『100%読み取り必須』という文化も障壁だ。欧米や中国のように『98%読めるなら効率的だ』と割り切れないことが導入の足枷になっている」

記者B「タグに金属が含まれるため、廃棄方法や水濡れ時の不読リスクといった実用上の課題も指摘されている。それでも、中長期的にはこうした問題も解決へと向かうはず。どのタイミングで国内の実社会に深く浸透するか、継続的なウォッチが必要だね」

日通とJR東海、新幹線活用の即日貨物輸送を開始

日本通運とJR東海は、東海道新幹線を利用した法人向け即日貨物輸送サービスを1月15日から開始した。このサービスは、新幹線の圧倒的な速達性と定時性を生かし、東京-名古屋-新大阪間などの主要都市間を数時間で結ぶものである。主な対象貨物は、緊急配送が必要な医薬品や精密機器、高単価な生鮮食品など、輸送コストよりもリードタイム短縮が優先される品目である。従来の航空便やトラック輸送に続く「第3の選択肢」として、都市中心部へ直接アクセスできる利便性を打ち出し、新たな高速物流ニーズの掘り起こしを狙う。

記者C「新幹線活用のサービス、開始後に実際にどれほど活用されているのか、実例を追いかけていく価値があると思う。緊急医薬品や精密機器など、高い運賃負担力のある荷物がどれだけ動いているのかが注目点だね」

記者B「メディアとしては、その後の積載率や具体的なコスト削減効果などを定点観測していく役割があるはずだ。大手のリリースは発表時点で満足しがちだけれど、その後の検証こそが重要だよ」

記者A「航空便との比較も興味深いね。速度そのものは飛行機が勝るけれど、新幹線は駅が都市のど真ん中にある。空港アクセスを含めたトータルのリードタイムでは、新幹線の機動力が勝るケースも多いはずだ」

記者C「新幹線のホームだと、旅客向けの新幹線を使った『はこビュン』の荷物を載せた台車を見かけるけど、貨物専用編成だとどういう運用をしているんだろうね?運用実態や、積み下ろしを含む地上オペレーションの効率性も気になる。航空便との使い分けの基準を明確にするためにも、現場の動きを直接取材して、読者が知りたい『実際のところ』を明らかにしていきたいね」

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