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編集部が見た最新物流ニュース雑感(1/23-29)

2026年1月30日 (金)

ロジスティクス本誌編集部の記者たちが、1月22日から29日の間に注目した物流ニュースを取り上げ、その背景や今後の影響について座談会形式で語り合いました。記事本文だけでは伝えきれない現場の空気感や取材の視点を、読者と共有するのが狙いです。

鴻池運輸、農研植物病院に出資し病害虫対策を高度化

鴻池運輸は、農林水産省管轄の農研機構発のスタートアップ「農研植物病院」への出資を発表した。西日本や九州からの農産物輸出が増加する中、単なる輸送にとどまらず、栽培段階からの衛生管理や病害抵抗性品種の活用など、サプライチェーンの上流工程から関与することで、検疫・バイオセキュリティという物流の新たな責任領域での機能高度化を目指している。

記者A「鴻池運輸が農研機構発のスタートアップに出資したニュース、単なる『運ぶ』を超えた非常に面白い動きだね。特に最近アジア圏で人気のサツマイモの輸出では、基腐(もとぐされ)病が1つ見つかるだけでコンテナごと全廃棄になるリスクがあるというから切実だ。農研機構は特定の病気に強い品種改良も行っているから、そこを栽培段階から押さえる狙いもあるんだろうね」

記者B「検疫やバイオセキュリティーが物流事業者の責任領域として重要視され始めている証拠だね。農産物輸出が活発になる中で、栽培段階からどうクリーンに保つかというサプライチェーン上流への関与は必然の流れかもしれない。物流側の使命がどんどん高度化しているのを感じる」

記者C「物流の機能が高度化するのは良いことだけど、気になるのはコスト面だね。こうした専門的なサービスを『無料化の圧力』に晒すのではなく、いかに専門サービスとしての適正チャージを確立できるかが、物流会社の収益化の鍵になりそうだ」

記者A「まさにその通りだね。現在、担当者へのヒアリングも進めているところなので、現場でどこまで踏み込んだ対策やビジネスモデルを考えているのか、さらに深掘りしていきたいね」

中国企業の4割、EU貿易には「持続可能性」が不可欠と認識

フェデックスの調査によると、中国企業の約4割が欧州との円滑な貿易において持続可能性を不可欠と捉えていることが判明した。アジア太平洋地域の中小企業の8割も欧州向け取引で環境配慮を重視しており、サステナビリティは物流の意思決定における重要要素となっている。中国の消費者の意識も高く、75%が持続可能な企業を選好し、90%が環境配慮型の包装に追加費用を払う意向を示している。これに対しフェデックスは、2040年までのカーボンニュートラル達成を掲げ、車両の電動化やCO2排出量の可視化ツール、SAFの導入を推進中だ。環境負荷の低減と業務効率を両立するスマートな越境物流ソリューションの提供により、顧客の持続可能な意思決定を支援している。

記者B「中国企業の環境意識の変化には驚かされるね。EUとの貿易をスムーズに進めるために、彼らはかなり戦略的に持続可能性を捉えているようだ。単に儲ければいいという時代ではなく、企業イメージそのものが国際的に重要になっている証拠だろう」

記者A「日本も欧州型の厳格な環境基準に寄っているけれど、国際競争力を考えると『排出ゼロ』はもはや前提条件だ。来週の欧州取材では、オール太陽光で稼働し、排出ゼロを掲げる『ゼロカーボン倉庫』を取材してくる予定なので、最先端の事例が日本でどこまで適用できるか探ってきたい」

記者C「地政学リスクを考えると、各国の急なルール変更で投資が無駄になる不確実性はあるね。でも、急激な世界情勢の変化を織り込みつつも、巨大な生産力を持つ市場とどう付き合い、物流のチャンスを作っていくかという視点が欠かせない」

記者B「環境対応が単なるコストではなく、国際競争力の前提条件になっている。日本も追いつけ追い越せで取り組まないと、国際基準から脱落し、国際物流の舞台で取り残されてしまうかもしれないね」

物流ドローンの事故公表、実装に向けた安全性の再検証へ

ネクストデリバリーは27日、山梨県都留市での物流ドローン飛行検証中に機体が墜落したと発表した。離陸直後に飛行経路上の電線に接触したことが原因で、人的被害はなかったが、民家の車両やフェンス、建物の一部が破損する物的被害が発生した。使用機体はACSL製の「AirTruck」で、当時は現地係員と遠隔操縦士による体制で運用されていた。同社は関係機関と連携して事故原因を詳細に調査するとともに、安全確認プロセスや運航体制の抜本的な見直しを進める方針だ。

記者C「ドローンの事故公表は、建物破損という実被害が出ており重大なことではあるけれど、隠さずに事実を明かして検証プロセスを回そうとする誠意ある対応だと感じた」

記者A「日本は『最初にルールを完璧に決めてから』というスタンスになりがちで、何かあるとすぐにブレーキがかかってしまう。でも、中国のようにまずはやってみて後から法規制をかけるようなスピード感と比較すると、日本は慎重すぎて置いていかれる懸念もあるよね」

記者B「失敗を叩くのではなく、どうすれば社会実装できるかという前向きな議論につなげたい。過疎地や離島では人手に頼らない物流の確保が絶対に必要で、期待感も大きいんだ。事故で歩みを止めるのではなく、トヨタが取り組んでいる実験都市『ウーブンシティ』のような特区を作るなどして、トライアンドエラーを繰り返しながら実装を目指すべきだろう」

記者C「2030年はもうすぐそこだ。事故から得られたデータを透明性を持って検証し、安全な実装につなげていく。こうしたプロセスの積み重ねこそが、社会の受容性を高める唯一の道だと思うよ」

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