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サンゲツに見る、安全起点の物流統括モデル

2026年3月3日 (火)

行政・団体経済産業省が公表したCLO事例集では、業種特性に応じた統括の在り方が示されている。そのなかで、インテリア卸大手のサンゲツの取り組みは、「安全を土台に全体最適を追求する」物流運営のモデルとして位置付けられる。

同社は壁装材や床材、ファブリックを主力とし、全国10拠点のロジスティクスセンターを展開。調達物流、拠点間輸送、販売物流の3領域を一体で管理する。売上高は2003億円(2025年3月期連結)、従業員数は3001人。ロジスティクス部門は企画開発室とロジスティクスセンター統括室で構成され、25年には統括室内にオペレーション管理課を新設。業務改革と改正物流効率化法対応、拠点間連携のハブ機能を担う体制を整えた。

CLO(物流統括管理者)に相当する立場としてロジスティクス部門ゼネラルマネージャーを置き、16年からは執行役員が同部門に在籍。創業者が掲げた「デリバリーも品質のうち」という理念を背景に、物流を全社横断機能として一元管理してきた。販売物流に限らず、調達や拠点間輸送まで俯瞰し、経営レベルで意思決定を行う点が特徴だ。

改革の起点に据えたのは効率化ではなく「安全」である。AIドライブレコーダーを自社配送やグループ会社に導入し、危険運転を画像で検知・点数化。危険運転回数は導入当初の3.2回から半年後には0.7回へ低減した。物損・車両事故の削減にもつなげている。協力会社にも事例を共有し、サプライチェーン全体で安全意識を底上げする構図を描く。

効率化施策も並行して進める。荷待ち時間削減に向けてトラック受付簿アプリやTMSアプリを自社開発し、試験導入と改良を継続。さらに回転式パレット「Vパレ」と回転フォークリフトを組み合わせたユニットロードシステムを一部拠点で導入した。積み降ろし時間は240分から30分へ87.5%短縮。一方で積載本数は800本から680本へ減少したが、作業負荷軽減と持続可能性を優先した判断といえる。

今後は積載効率の見える化、ユニットロードの拡大、拠点配置の再設計を重点課題とする。短納期対応という強みを維持しつつ、業界全体で持続可能なリードタイムを模索する姿勢も示す。

同社の事例は、CLOの役割を「統括」や「効率化推進」に限定せず、安全・可視化・自動化を段階的に積み上げる経営機能として位置付ける点に意義がある。物流効率化法への対応を契機に、経営と現場をつなぐ統括モデルの具体像を提示している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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