調査・データLINE WORKS(東京都渋谷区)は6月1日、中小・中堅製造業における紙書類利用とペーパーレス化の実態調査結果を発表した。調査では約8割の企業がペーパーレス化に取り組んでいる一方、「ほぼ全ての業務で問題なくペーパーレス化が完了している」と回答した企業は1割未満にとどまり、現場では紙運用が依然として根強い実態が浮かび上がった。
調査は従業員1000人未満の製造業225人を対象に、2026年3月22日から30日にかけてインターネットで実施した。対象分野は食品・飲料、素材・化学、機械・電機、自動車・輸送機器、医薬品・医療。
ペーパーレス化に取り組む企業は80.9%に達したが、停滞や見直しを含め、課題を抱える企業も44.2%あった。理由としては「システム入力や確認作業が増えた」「想定ほど業務負荷が減らなかった」などが挙がった。
紙使用量の変化では、「やや減少した」が48.9%だった一方、「変わらない」が36.7%となり、デジタル化が必ずしも紙削減に結び付いていないことが分かった。さらに、紙使用量が増加、または元に戻った企業は23.9%に上った。
業務で利用している紙書類は平均6種類だった。請求書や納品書、見積書など取引関連書類は紙運用が多く残る一方、点検チェックリストや品質検査記録、図面など現場関連書類ではデジタル化が比較的進んでいた。取引先との帳票授受では紙依存が残っている実態もうかがえる。
紙書類の利点では、「書き込みやメモがしやすい」が53.8%で最多となり、「一覧性の良さ」が49.3%で続いた。現場では視認性や扱いやすさなど紙特有の利便性を重視する傾向が見られた。
今後の方針では、「必要な紙業務は残しつつAI-OCRなどを活用して効率化する」と回答した企業が50.7%で最多だった。「完全ペーパーレス化を目指す」は16.0%にとどまり、必要な紙書類を維持しながら現実的にデジタル化を進める「無理しないペーパーレス」が主流になりつつある。
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