調査・データ国際航空運送協会(IATA)は10日、2025年の世界貿易において航空貨物が重要な役割を果たしたとする報告書を公表した。関税政策の不確実性や地政学リスクが高まるなか、航空輸送が企業のサプライチェーン調整やAI関連投資を支え、貿易と経済成長の下支えになったと分析している。
報告によると、2025年第1四半期には関税引き上げを見越した「前倒し輸送」が急増し、航空貨物は米国向け輸入の拡大に大きく寄与した。同期の米国輸入額は前年同期比26%増の1930億ドル増となり、このうち1570億ドルが航空輸送によるものだった。航空輸送による輸入額は同81%増と急伸し、関税回避を狙う企業の緊急輸送需要を取り込んだ。
同時に企業は関税リスクを避けるため調達先や輸出先を見直し、貿易ルートの再編も進んだ。米国では拡大した輸入ルートで2130億ドルの増加があり、その82%にあたる1740億ドルが航空輸送で運ばれた。一方、縮小したルートでは輸入が2570億ドル減少したが、航空輸送の影響は30%程度にとどまり、地理的な貿易再配置への対応力が示された。欧州でも同様の傾向が見られ、拡大ルートの増加分の48%を航空貨物が担った。
AI投資の急拡大も航空貨物需要を押し上げた。サーバーやデータストレージ、メモリーチップなど高付加価値で時間感度の高い機器の輸送に航空輸送が利用され、AI(人工知能)関連商品の輸送量は前年比20%増加。AI関連貨物は航空輸送貨物の重量では7%に過ぎないが、金額ベースでは53.5%を占めた。AI関連貿易の金額の3分の2以上が航空輸送で運ばれた計算になる。
IATAは、こうした動きが25年の世界貿易成長率を2.4%まで押し上げたと指摘。世界GDPも3.2%成長した。関税政策の変動や地政学リスクが続く環境下で、航空貨物は高付加価値貨物の迅速な再配置を可能にし、グローバル経済のレジリエンスを支える構造的なインフラになっていると分析している。
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