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商船三井、中計Phase2で投資回収段階へ移行

2026年3月31日 (火)

ロジスティクス商船三井は3月31日、グループ経営計画「BLUE ACTION 2035」Phase2(2026〜2030年度)を策定し、経営の重心をこれまでの「変革と拡大」から「成果実現」へとシフトする方針を示した。Phase1で進めたポートフォリオ改革や積極投資の成果を回収し、収益力と資本効率の向上を図る局面に入る。

(出所:商船三井)

Phase1では、3年間で2兆円の投資を実行し、税前利益は平均3290億円と当初目標を上回った。海運市況の変動に左右されにくい収益構造への転換も進み、安定収益型事業の比率拡大や非海運領域の強化が進展した。一方で、投資回収の加速や資本効率の向上、グループ横断での総合力発揮が課題として残った。

Phase2ではこれらを踏まえ、「稼ぐ力の強化」「バランスの取れた資本配分」「経営基盤の強化」を3本柱に据える。30年度の税前利益は4200億円、ROE(自己資本利益率)10%超を目標とし、キャッシュ創出力の拡大と株主還元の強化を同時に進める。累進配当の導入や総還元性向40%を目安とした自社株買いも打ち出した。

事業ポートフォリオは、「市況享受型」「ハイブリッド型」「安定収益型」の3分類で管理。コンテナ船などの高ボラティリティー事業に加え、自動車船やケミカル船などの中間的な収益特性を持つ「ハイブリッド型」を新設し、収益の下方耐性と上方余地の両立を図る。LNG(液化天然ガス)船やタンクターミナル、不動産などの安定収益型を厚くすることで、市況変動時でも利益の底割れを防ぐ構造への転換を狙う。

また、地域戦略では東アフリカから南アジア、東南アジアに至る「環インド洋」エリアを重点とし、エネルギーや物流、不動産を組み合わせた事業展開を強化する。海上輸送を起点に上流・下流へと事業領域を拡張し、バリューチェーン全体で収益機会を取り込む構えだ。

環境面では、30年にGHG(温室効果ガス)排出原単位を19年比45%削減、2050年ネットゼロを掲げ、代替燃料導入や風力推進などによる低炭素化を進める。加えて、AI(人工知能)活用を含むDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務変革や、安全・人材基盤の強化も重点施策に位置付けた。

海運業は地政学リスクやエネルギー転換、需要構造の変化など不確実性が高まる局面にある。同社は、これらの変化を新たな輸送需要として取り込みつつ、投資拡大フェーズから収益回収フェーズへ移行することで、安定と成長の両立を図る考えだ。

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