調査・データデータプラットフォーム事業を手がけるKUMU Works(クムワークス、東京都港区)が実施した調査によると、半導体・電子部品を扱う製造業の調達部門責任者の80.9%が、2026年以降の供給に不安やリスクを感じていることが分かった。調査は26年3月、全国の調達責任者325人を対象に実施された。
現在の調達課題として最も多かったのは「原材料・エネルギー価格の高騰」(49.9%)で、次いで「物流コストの上昇・配送遅延」(40.3%)、「為替変動による調達コスト増」(37.9%)が続いた。コスト要因と物流の不安定化が並行して進行しており、単一要因ではなく複合的なリスクとして認識されている。
供給不安の背景には、地政学リスクや特定地域・サプライヤーへの依存、半導体需要の構造変化がある。実際、供給能力不足や特定サプライヤー依存を挙げる回答も3割超に達しており、従来の調達モデルが限界に近づいている実態が浮かび上がる。
こうしたなか、企業側の対応としては「サプライヤーの複数化」(41.2%)や「調達契約の見直し」(34.8%)が進んでいる。加えて「代替部品の採用」や「国内回帰」など、設計や生産戦略を含めた対応も広がっている。一方で、サプライチェーンの可視化や安全在庫の積み増しは3割未満にとどまり、リスク対策の実装にはばらつきがみられる。
リスク情報の管理手法にも課題が残る。情報収集は「メーカーや代理店からの都度連絡に依存」(26.2%)が最多で、「自社基幹システムで管理」(23.2%)が続く。外部データベースの活用は18.6%にとどまり、依然として受動的かつ分散的な管理が主流となっている。属人的な管理や情報不足を指摘する声も一定数あり、調達判断の高度化には情報基盤の整備が不可欠とみられる。
今後強化したい領域としては「調達部門と設計・開発部門の連携」(44.1%)が最多で、「供給途絶リスクへの対応力」(40.3%)、「デジタル活用による情報収集の自動化」(35.0%)が続いた。調達単独ではなく、設計段階から供給制約を織り込む動きが強まっている。
今回の調査結果は、半導体・電子部品の供給問題が単なる調達課題を超え、物流、設計、経営判断を横断するテーマへと拡大していることを示している。とりわけ物流コストや配送遅延が上位課題に入った点は、供給網のボトルネックが製造現場ではなく輸送・流通段階にも広がっていることを示唆する。今後は、調達戦略と物流戦略を一体で再構築する動きが一段と求められる。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。





























