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製品不足、住宅建設の61.4%が影響実感

2026年4月23日 (木)

調査・データ住宅関連メディアや相談サービスを手がけるくふう住まい(東京都港区)は23日、全国の住宅会社・工務店70社を対象に実施した調査結果を公表し、中東情勢の緊迫化が住宅資材の価格や供給に波及している実態が明らかになった。61.4%が「影響を実感している」と回答し、建材コストの上昇や供給不安が顕在化している。

影響の内訳では、「建材価格の値上げ」が67.1%と最も多く、「着工や引き渡しの遅延」が51.4%、「仕様変更」が35.7%と続いた。コスト面に加え供給面でも不安定化が進んでおり、住宅建設の現場では従来の計画通りの進行が難しくなっている。資材不足は特定領域にとどまらず、契約条件の厳格化や受注制限といった形で波及している。

(クリックで拡大、出所:くふう住まい)

ナフサ不足により石油化学製品の供給制約が続いている。とりわけ影響が大きいのは水回り設備(51.4%)や断熱材(41.4%)で、塩ビ管や発泡ウレタンなど石化製品への依存度が高い領域で遅延や代替対応が発生している。外装材や塗料、内装材にも影響が及び、住宅の性能や仕様に直接関わる資材全般に波及している。現場では代替材への切り替えや設計見直しが進み、品質やコストの調整を伴う対応が増えている。

価格面では、現時点で坪単価を据え置く企業が50.0%と半数を占める一方、残る半数は値上げを見込んでいる。値上げ幅は坪単価5万円以内または5万-10万円程度の小幅が中心だが、資材価格や物流コストの動向次第では、今後さらなる価格転嫁が進む可能性がある。

需要面では顧客行動の変化も顕在化している。「購入判断の保留」や「検討期間の長期化」が34.3%と最多となる一方、「早期契約を希望」が30.0%と拮抗し、意思決定の二極化が進んでいる。価格上昇リスクを回避する前倒し需要と、先行き不透明感による様子見が同時に進行している構図だ。

住宅計画への影響も広がる。「特に変更なし」が62.9%と多数を占めるものの、「延床面積の縮小」や「計画延期・中止」がそれぞれ21.4%、「設備のグレードダウン」が11.4%と、コスト上昇を受けた現実的な見直しも進んでいる。さらに、注文住宅から建売や中古への切り替えといった選択も一部で見られた。

住宅会社の対応としては、「早期契約・着工の提案」が60.0%で最多となり、コスト上昇リスクの回避を前提とした営業戦略が主流となっている。「優先順位の明確化」(40.0%)や「資金計画の見直し」(37.1%)など、限られた予算内での最適化提案も広がっている。

今回の調査は、中東情勢を起点とした資材・エネルギー供給の不安定化が、住宅という最終消費分野にまで波及していることを示した。ナフサ由来製品を中心とする資材供給の制約は、製造・物流・建設を横断するサプライチェーン全体に影響を及ぼしており、コスト転嫁と供給安定の両立が今後の課題となる。

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