ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

外国人人材、採用・活用のポイントは伴走支援にあり

2026年4月28日 (火)

ロジスティクス物流業界の「2024年問題」解決の糸口として注目を集める、特定技能を活用した外国人ドライバーの採用。しかし、言葉の壁や複雑な制度、入社後の生活サポートへの不安から、導入に二の足を務める企業も少なくない。

そうしたなか、北海道の物流企業・ネクストの採用プロジェクトを成功に導いたのが、キャムコムグループによる包括的な支援体制だ。人材紹介を担う「キャムグローバル」と、登録支援機関として定着を支える「バイトレ」。両社の連携が生み出す、物流業界に特化した支援ノウハウと最新の採用トレンドに迫った。

国内人材の活用と「コンシェルジュ」による高精度なマッチング

キャムグローバルが提供する採用スキームは、大きく「国内在住者の採用」と「海外からの直接採用」の2系統に分かれる。中でも同社の独自性が際立つのが、国内在住人材の採用力だ。

同社は外国人専用の求人サイト「Mintoku Work」を展開し、日本国内に住む候補者を強力にマッチングしている。「海外からの採用は現地の送り出し機関の力に依存しがちだが、国内人材のデータベースとマッチング力においては他に負けない強みがある」とキャムグローバルチーフコンサルタントの宮下伊能氏は語る。

▲キャムグローバル・チーフコンサルタントの宮下伊能氏(出所:キャムコムグループ)

また、アジア6-7か国出身のネイティブスタッフが「コンシェルジュ」として多数在籍している点も大きな特長だ。日本の生活や商慣習を理解している彼らが、応募者のスクリーニングや面談をきめ細かく行うことで、企業の求める要件(日本語能力や運転スキル、人柄など)に合致した精度の高い人材紹介を実現している。

24時間対応と「現地駆けつけ」で企業の負担を最小限に

特定技能外国人の採用において、企業が最も負担を感じるのが入社後の生活支援である。登録支援機関であるバイトレは、この領域で圧倒的なサポート体制を敷いている。

「外国人ドライバーは単独で行動することが多く、就業時間外の生活課題(水道・ガスの手続き、病院への同行、近隣トラブルなど)が発生しやすい。我々は24時間対応のコールセンターを設け、企業様の負担を極力なくす体制を作っている」とバイトレ広域営業マネージャーの小林正汰氏は説明する。

さらに特筆すべきは「現地駆けつけ」の対応力だ。多くの登録支援機関が遠隔サポートにとどまるなか、バイトレは全国におよそ200人の営業網を持ち、物流拠点へのオンサイト(現地)対応を標準化している。何かあれば、日本人の営業担当と母国語が話せる外国籍社員の2人体制で即座に駆けつける。

▲バイトレ広域営業マネージャーの小林正汰氏(出所:キャムコムグループ)

この手厚い支援の背景には、同グループの「総合キャリアオプション」が19年から培ってきた外国人支援ノウハウがある。同社ではこれまで、4000-5000人規模の支援を行っており、こうした知見が特定技能外国人ドライバー採用でも生かされている。

免許取得の壁をどう越えるか?国別採用の最新トレンド

ドライバー採用における最大の関門が「運転免許」だ。24年10月の厳格化以降、外国免許から日本免許への「外免切替」は難易度が上がり、特に中型・大型免許の試験は受験までに数か月待たされるケースも出ている。そのため、普通免許で可能なハイエースなどでの業務からスタートさせて段階的にステップアップを図るか、あるいはネクストの事例のように「日本で一から大型免許を取得させる」という選択をする企業も増えつつある。

採用する国別のトレンドとしては、日本と同じ「右ハンドル・左車線」であるインドネシア、タイ、ネパールへの人気が高い。特にインドネシアは人材供給力が高いことに加え、宗教上の理由から飲酒の習慣がない人が多く、飲酒運転リスクを懸念する運送企業からの評価が非常に高いという。

「口コミ」が採用力を左右する。実態の伴う支援が不可欠な時代へ

採用戦略を立てる上で、企業が留意すべき実態がある。それが、外国人コミュニティー内での強固な「口コミネットワーク」の存在だ。

キャムグローバルの宮下氏によると、日本に在留する同国人の数が増えてくると独自のコミュニティーが形成され、SNSなどを通じて職場環境のリアルな情報が驚くべきスピードで共有されるという。「あの会社は待遇が良い」「あの職場はきついから避けた方がいい」といった情報が、あっという間に出回るのだ。

▲キャムコムグループの支援によりネクスト(札幌市清田区)が採用した外国人ドライバー(出所:キャムコムグループ)

「現在は在留人数の多い国でこの傾向が顕著ですが、今後どの国からの採用であっても、人数が増えれば絶対に同じことが起きます」と宮下氏は指摘する。つまり、企業が表面だけを取り繕ってもごまかしは通用せず、入社後の手厚いサポートや公平な待遇といった「受け入れ態勢の実態」そのものが、巡り巡って企業の採用力に直結するということだ。だからこそ、入社後を支える手厚い伴走支援の価値がいっそう高まっている。

今後の展望として、特定技能の対象に「倉庫作業」が追加されることへの期待も大きい。

「例えば、新設される『育成就労』制度で物流倉庫に3年間従事し、その後『特定技能』へ移行して運送業で5年間働くといった、計8年にわたる長期的なキャリアパスを描くことも可能になる」とキャムグローバルの宮下氏は語る。制度の拡張により、企業側の配置の選択肢と、外国人材のキャリアの幅が大きく広がっていく。

特定技能ドライバーの採用が可能になってから、まだ1年半足らず。多くの企業が様子見をしているが、伴走型の手厚い支援があれば、導入のリスクは確実に低減できる。大手の先行導入事例が増えつつある今、外国人ドライバーの活躍は、これからの物流業界における“当たり前の景色”になっていくに違いない。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。