調査・データグリーンベル(川崎市麻生区)は28日、運送事業者の倒産防止に向けた経営論文を無料公開したと発表した。
同論文は、運送業界で増加する倒産の背景について分析し、構造的な赤字体質とその改善策を提示する内容だ。
帝国データバンクの統計によると、倒産件数は2023年に337件と前年比56.0%増となり、2024年上半期も年換算378件と増加傾向が続いている。燃料費高騰やコロナ禍の融資返済が要因とされるが、同社はさらに深層に「三重の構造的歪み」があると指摘する。
具体的には、トラックの実質耐用年数と法定耐用年数の乖離による過剰償却、税務と会計の混同による財務悪化、金融機関のスコアリング重視による資金調達制約の三点を挙げる。これらが連鎖し、運送事業者の資金繰りを圧迫していると分析する。
また、創業から10年程度を単位とする収支構造にも言及。初期5年間は毎年約9%の赤字が続き、累積損失が最大約45%に達する「困難期」を経て、6年目以降に黒字化する「回収期」に移行するモデルを提示した。短期的な損益評価では実態を見誤る可能性があるとする。
対策としては、走行距離に応じた償却計上など費用算定の見直し、リース契約の再構築、コストの7項目管理、10年単位の収支計画策定、車両単位での日次収支管理など5つの実務手法を提示した。
同社は、運送事業の持続性は物流インフラ維持の観点から社会的課題であると位置づけ、経営者や金融機関、税務関係者の共通理解の基盤として論文の活用を促す。
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