調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は14日、2025年国内企業の「粗利」に関する調査結果を公表した。物価高が続くなかでも企業全体の粗利は拡大傾向にある一方、企業規模や業種による収益格差が鮮明になっていることが分かった。
調査は2024年10月期-25年9月期を最新期とし、8期連続で売上高と売上総利益が判明した17万9054社を対象に実施した。25年の1社あたり平均売上高は46億8205万円で、19年比10.1%増加。平均粗利は10億3033万円となり、同22.7%増加した。粗利率も19.7%から22.0%へ上昇した。
資本金別では、1億円以上の企業の粗利率が22.3%となり、1億円未満の20.8%を上回った。大企業ほど価格転嫁や採算確保が進んでいる実態が浮かんだ。

▲売上・粗利がともに増加した企業数の推移(クリックで拡大、出所:東京商工リサーチ)
売上高と粗利がともに増加した「増収増益企業」は7万7653社で、全体の43.3%を占めた。ただ、原価上昇を上回るペースで粗利を伸ばした企業は3万5363社にとどまり、構成比は19.7%だった。物価高への対応力には企業間で差が広がっている。
物流業界を含む運輸業の粗利率は18.5%で、19年の18.6%には届かなかったものの、コロナ禍後の低迷から回復傾向を示した。特に、粗利伸長率が原価増加率を上回った企業の構成比は30.9%と、10産業で最高だった。運賃改定や価格交渉の進展により、コスト増を吸収できる企業が増えたと分析している。
また、業種別では道路旅客運送業で売上高と粗利がともに増加した企業の割合が72.0%となり、鉄道業や水道業などインフラ関連も高水準だった。物流の24年問題を背景に、適正運賃収受や価格転嫁への理解が進み、収益改善につながったとみられる。
一方で、原材料価格や燃料費の上昇、公定価格による価格転嫁の難しさなどから、売上高と粗利を同時に落とす業種も目立った。東京商工リサーチは、今後も物価上昇が続くなか、単なる増収ではなく、コスト上昇を販売価格や付加価値へ反映し、粗利を確保できるかが企業業績を左右する重要な分岐点になると指摘している。
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