調査・データトーモクは28日、2027年3月期から29年3月期までの第3次中期経営計画を発表した。メインテーマに「収益力強化」を掲げ、段ボール、住宅、運輸倉庫の3事業体制を維持しながら、安定成長を重視する段階から収益性や資本効率を重視する経営へ移行する。最終年度の29年3月期に売上高2400億円、営業利益144億円、営業利益率6.0%、ROE(自己資本利益率)8.0%を目指す。
新中計では、AI(人工知能)の活用を重点施策に位置付ける。生産・物流効率化、営業・商品価値向上、管理業務効率化にAIを取り入れ、最新設備の導入による省人化、省エネ、生産性向上と合わせて原価低減を進める。成長投資とM&Aには3年間で最大430億円の枠を設定し、株主還元も強化する。配当性向は40%以上を目標に段階的に引き上げ、自己株取得や株主優待の実施も検討する。
注目されるのは、運輸倉庫事業の位置付けだ。同社は子会社トーウンを通じ、段ボール事業を補完する国内物流事業を展開している。新中計では、改正物流効率化法の全面施行を追い風とし、段ボールでの輸送に適した飲料・食品分野に強い物流事業者として、物流需要の増加に対応する方針を示した。
運輸倉庫事業では、車両、倉庫、センター、物流ネットワークへの設備投資を進める。あわせて、持続的な物流価格改定、人件費や燃料コスト上昇への対応、サービス提供力の強化に取り組む。業務面では、AI活用などによる省人化・自動化を推進し、荷受け側に求められる業務効率化への対応も進める。
M&Aによる物流ネットワーク拡大も重点施策とする。トーウンは25年12月に岡山県の物流事業者フジショウを子会社化しており、手薄だった中国地区の拠点として活用する。今後はフジショウをハブに、西日本から四国を含む物流ネットワークの拡充を図る。24年問題や物流法改正への対応、飲料に偏った顧客構成の分散、人材確保を進めながら、全国で新規拠点や中継拠点を整える考えだ。
段ボール事業では、高付加価値製品へのシフト、生産性向上による原価低減、原紙調達力を生かした収益安定化を基本方針とする。日本製紙グループ、特種東海製紙グループとは、段ボール原紙と段ボール加工の協業検討に関する覚書を締結しており、マーケティング、新製品開発、物流コスト削減、古紙クローズドループなどで協業の可能性を探る。
26年3月期決算では、売上高が前期比2.0%増の2240億9000万円、営業利益が同21.6%増の113億7800万円となり、過去最高益を更新した。運輸倉庫事業も売上高442億9000万円、セグメント利益10億7600万円と増収増益だった。新中計では、包装資材と物流を一体で扱う事業基盤を効率化し、持続的な収益改善につなげる。
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