国際マン・トラック&バス(MAN、ドイツ)は5月28日、デッテンドーファー・エナジー(同)などと共同で、欧州の物流幹線「ブレンナー回廊」におけるバッテリー式電気トラックの普及を進める「グリーン・ブレンナー構想」を開始したと発表した。産業界やエネルギー、インフラ関連企業が連携し、排出ガスゼロ物流モデル地域の構築を目指す。

(出所:マン・トラック&バス)
ブレンナー回廊はドイツとイタリアを結ぶ欧州有数の物流ルートで、アルプス越え輸送の主要動脈となっている。構想では、ブレンナー基底トンネル完成までの対応策として電気トラックの導入を加速する。年間走行距離11万キロを前提とした場合、電気トラック1台あたり年間平均95トンのCO2削減を見込む。1日300台が運行した場合、年間最大2万8000トンの削減効果になるとしている。
加えて、加速時の騒音はディーゼルトラック比で12.6デシベル低減し、体感では半分の騒音レベルになるという。回生ブレーキ活用によってエネルギー効率向上も図り、ブレンナー回廊では下り坂で使用エネルギーの約40%を回収できるとしている。通行料金は80%低減し、3年間の総保有コストはディーゼルトラック比で約20%低くなる試算も示した。
欧州では物流分野の脱炭素化が加速しており、幹線輸送への電動大型車導入が課題となっている。今回の構想は、充電インフラや送電網整備と並行しながら、長距離輸送における電動化の実用性を示す取り組みとして位置づけられる。鉄道輸送を補完する役割も想定されており、欧州物流網の低炭素化に向けたモデルケースとなる可能性がある。
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