国際中国家電大手の美的集団(ミデアグループ)は9日、「エージェンティック海外展開ソリューション」を発表した。中国製造業の海外展開を支援する仕組みで、同社の荊州洗濯機工場での取り組みを基に、工場立ち上げや運用に必要な機能を12のモジュールに分けた。異文化環境での従業員教育や、国際サプライチェーンのトレーサビリティーも対象とする。
同ソリューションは、タイのミデア・タイランド冷蔵庫工場に導入して効果を検証した。25の業務シナリオで72種類のAI(人工知能)アプリケーションと13の主要AIエージェントを使い、受注から納品までのリードタイムを43%短縮したという。顧客クレーム率は32%減り、従業員の研修・認定期間も62%短縮した。
人材育成では、生成AIとVR(仮想現実)を組み合わせた多言語研修システムを導入し、新入社員の研修期間を8日から3日に短縮した。品質管理では、1200万件超の品質関連事例を蓄積した知識データベースを使い、顧客からの苦情に対して生産ラインや原因を短時間で特定する仕組みを整えた。
サプライチェーン面では、35の重要拠点をリアルタイムで監視する越境サプライチェーンAIエージェントを開発した。異常発生時の対応時間を48時間から12時間以内へ短縮し、原材料の納期遵守率を96%以上に維持したとしている。子会社の安得智聯(アンディ・インテリジェント・ロジスティクス)が担うKD物流ソリューションと組み合わせ、部材キッティング率は99%超となった。
ミデアはあわせて、海外進出を目指す企業向けの「Mideaグローバルパートナープログラム」も発表。製造業の海外展開では、生産設備だけでなく、人材教育、品質管理、部材調達、物流の一体設計が必要になる。同社は自社工場で検証した仕組みを外部企業にも提供し、中国企業の海外生産立ち上げや供給網管理に使う想定だ。
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