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公取委、運送委託を取引適正化の重点領域に

2026年6月22日 (月)

行政・団体公正取引委員会は22日、2025年度の年次報告書を国会に提出した。報告では、価格転嫁や取引適正化に向けた制度改正、独占禁止法違反事件への対応、下請取引への監視状況などをまとめた。物流分野では、改正下請法で規制対象に「特定運送委託」が追加されたことに加え、物流に関する商慣習への対応が取引環境整備の論点として明記された。

25年度は、下請法等改正法が5月23日に公布され、26年1月1日に施行された。これに伴い、法律名は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(取適法)に改められた。改正では、協議に応じない一方的な代金決定の禁止、手形払いの禁止、特定運送委託の追加などが盛り込まれた。労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇が続くなか、発注者と受注者の間で価格転嫁と支払条件の適正化を進める狙いがある。

独占禁止法違反被疑事件として25年度に審査した事件は97件で、このうち85件の審査を完了。法的措置は15件で、内訳は価格カルテル7件、入札談合2件、不公正な取引方法6件。課徴金納付命令は延べ36人に対し、総額95億5373万円だった。価格カルテルでは特装車製品やトレーラーの製造販売業者、入札談合ではJR東海が管理する線路の跨線橋点検業務に関する事案などが対象となった。

中小受託取引では、委託事業者6万5000人と中小受託事業者30万人を対象に定期調査を実施した。25年度は取適法に基づき39件の勧告、8261件の指導を行った。勧告事案には、センコーに対する貨物運送業での不当な経済上の利益提供要請事件も含まれる。中小受託事業者が受けた不利益については、委託事業者177人から中小受託事業者5165人に対し、減額分の返還など総額25億5698万円相当の原状回復が行われた。

価格転嫁を巡っては、12万人を超える事業者を対象に特別調査を実施し、労務費の転嫁状況を把握した。公取委は中小企業庁と企業取引研究会を再開し、サプライチェーン全体での価格転嫁、支払条件、物流商慣習を検討。特定荷主が物品の運送や保管を委託する場合の不公正な取引方法の改正案などを作成し、26年3月から意見募集を始めた。

企業結合審査では、トヨタ自動車とダイムラー・トラックによる日野自動車、三菱ふそうトラック・バスの経営統合や、今治造船によるジャパンマリンユナイテッドの株式取得など、物流・輸送産業に関係する大型案件の審査結果を公表。物流分野でも荷主、元請け、協力会社間の取引条件や価格転嫁が競争政策上の重要課題になっていることを示している。

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