調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)が25日発表した2026年の事業継続計画(BCP)に関する企業意識調査によると、BCPを「策定している」企業は21.4%となり、前年から1.0ポイント上昇した。2016年の調査開始以降で最高となった一方、「策定していない」企業は40.7%で、依然として4割を超えた。調査は5月18日から31日まで、全国2万2749社を対象に実施し、1万521社から回答を得た。
「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」を合わせた策定意向ありの企業は50.5%だった。規模別では、大企業の策定率が39.9%だったのに対し、中小企業は18.3%にとどまり、20ポイント以上の差が残った。人手や時間に余裕がない中小企業ほど、計画作成に必要な体制を整えにくい実態がうかがえる。
策定意向がある企業に、事業継続が困難になると想定するリスクを尋ねたところ、「自然災害」が67.8%で最も高かった。次いで「情報セキュリティ上のリスク」が50.2%、「設備の故障」が37.9%、「感染症」が37.3%、「インフラの寸断」が36.8%となった。「物流の混乱」は36.5%で、前年から9.0ポイント上昇した。中東情勢の不安定化や供給制約、サイバー攻撃など、複数のリスクが連鎖する事態を想定する企業が増えている。
事業中断リスクへの備えでは、「従業員の安否確認手段の整備」が65.3%、「情報システムのバックアップ」が59.5%で上位を占めた。物流・調達関連では、「調達先・仕入先の分散」が42.1%と前年から5.2ポイント上昇し、「生産・物流拠点の分散」も15.6%と5.8ポイント上昇した。一方、「物流手段の複数化」は13.7%で、前年を下回った。供給網の途絶に備える意識は高まる一方、輸送手段の多元化までは十分に進んでいない。
BCPを策定していない理由では、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が42.2%で最多だった。「策定する人材を確保できない」が33.5%、「策定する時間を確保できない」が28.1%で続いた。「書類作りで終わってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」も25.4%に上った。
BCPは防災対策にとどまらず、サプライチェーンや物流網の維持を含む経営課題になっている。特に物流の混乱をリスクとして見る企業が大きく増えたことは、災害、地政学リスク、サイバー攻撃、供給制約が調達・生産・配送に波及するとの警戒感を示す。中小企業では個社だけで対応する負担が重く、取引先や業界単位での復旧手順、代替調達、代替輸送の設計が求められる。
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