行政・団体経済産業省は30日、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と連携し、「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」を開始すると発表した。事業期間は2026年度から30年度まで。NEDOの公募には15件の申請があり、Noetra(ノエトラ、東京都渋谷区)と産業技術総合研究所を実施予定先に決めた。
事業では、AIロボットやフィジカルAIの開発基盤となる国産マルチモーダル基盤モデルを開発する。言語に加え、画像、動画、音声、センサーデータなどを扱えるモデルを想定しており、製造現場などで得られるデータを活用しながら、現場データを国内で管理できる基盤づくりを進める。
Noetraは開発枠として、AI基盤モデルの開発と提供を担う。高度な日本語理解、論理推論、指示遂行などの基本性能を備えたモデルから、画像・動画・音声を理解するマルチモーダルモデル、さらに物理空間を認識する世界基盤モデルへ段階的に広げる。産総研は探究枠として、国内外の研究機関などと連携し、理論、要素技術、アーキテクチャーに関する先導研究を担う。
経産省は、製造業や物流、流通などの現場でフィジカルAIの活用が進めば、生産性向上や人手不足対応、エネルギー消費の効率化につながるとみている。一方で、生成AI開発で海外モデルへの依存が続けば、デジタル赤字の拡大や継続利用への懸念も生じる。AI利用の拡大に伴う電力消費の増加も課題であり、省電力化を含めた国産基盤の整備を進める。
開発したモデルの学習済み重みは、事業期間中から国内に公開し、利用の普及を図る方針だ。研究開発で得た知見や論文もウェブやSNSなどで展開する。26、27年度分について契約を締結し、27年度以降の見直しや継続可否は毎年度のステージゲート審査で判断する。
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