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特定技能人材、定着志向と支援課題浮き彫り

2026年7月2日 (木)

調査・データProud Partners(プラウド・パートナーズ、東京都新宿区)が事務局を務める特定技能コンソーシアム(TGC)は1日、登録支援機関が支援する特定技能人材1236人を対象に実施した実態調査の結果を発表した。回答者の75%が「今後も日本で働き続けたい」と答え、従来の「出稼ぎ」型とは異なる定着志向が示された。一方で、差別や不公平な扱いを経験したとの回答も一定数あり、受け入れ拡大の前提として職場・生活面の支援体制が問われる内容となった。

調査はTGC支援機関部会が初めて実施したもので、5月15日から6月15日までオンラインで行った。対象は加盟する登録支援機関が支援する国内在留の特定技能人材で、ベトナム語、ネパール語、英語、インドネシア語、タガログ語、ミャンマー語、中国語の7言語に対応した。有効回答数は1236人。

日本での就労継続意向については、有効回答1231人のうち925人が「はい」と回答し、構成比は75%だった。「わからない」は276人で22%、「いいえ」は30人で2%にとどまった。仕事への満足度は95%、生活満足度は92%、医療への満足度は96%、行政への満足度は98%とされ、生活基盤への評価は高い水準となった。自由記述では「介護福祉士になりたい」「家族を日本に呼びたい」といった長期滞在を前提とする声もあった。

(クリックで拡大、出所:Proud Partners)

経済面では、2025年12月末時点の特定技能1号38.2万人に調査上の月収を当てはめた試算として、本人負担分と企業負担分を含む税・社会保険料の年間納付額を3365億円と推計。TGCは、地方税収入の下位5県の合計3188億円を上回る規模だとしている。ただし、同数値は調査結果と政府統計を組み合わせた概算であり、前提条件によって変動する点には留意が必要だ。

また、母国への送金額は年間2045億円と試算した。TGCは、総収入から送金分を除く部分が国内での消費、貯蓄、納税などに回っているとして、特定技能人材が労働力だけでなく地域経済や社会保障の担い手にもなっていると分析している。

一方、課題も示された。差別や不公平な扱いについて「時々ある」「よくある」と答えた割合は16%で、「答えたくない」も11%あった。国籍別では、ネパール出身者で「時々ある」が20%、「よくある」が3%となり、何らかの差別経験を示す回答が23%と最も高かった。登録支援機関経由の調査であることを踏まえると、表面化しにくい経験が残っている可能性もある。

日本語能力については、日本語能力試験(JLPT)の資格を持たない回答者が全体の32%を占めた。在留5年以上でも55%が資格を持たないとされ、就労や生活が成立していても、資格取得には直結していない実態が見えた。物流を含む人手不足産業で特定技能人材の活用が広がるなか、現場定着を支えるには、就労管理だけでなく、日本語学習やキャリア形成まで含めた支援が必要になりそうだ。

TGCは今回の調査を年2、3回の定点観測として継続し、今後は受け入れ企業側の実態調査も実施する方針。支援機関部会Proud Partnersなど4社が参加しており、建設、介護、外食、農業、宿泊、食品製造、自動車運送分野などで累計1万2000人超の支援実績を持つとしている。

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