国際欧州連合(EU)は2日、アルメニアとの連携を強化し、貿易多角化や輸送・エネルギー・デジタル分野の接続性向上を支援すると発表した。欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長がアルメニアの首都エレバンで、ニコル・パシニャン首相らと会談した。南コーカサス地域で地域協力の機運が高まるなか、EUはアルメニアの経済的な対外依存を和らげ、EU市場との結び付きを強める方針を示した。
今回の支援では、5200万ユーロの支援パッケージに加え、アルメニアからEU向け輸出の80%について関税を免除する措置を提案する。欧州議会とEU理事会で採択されれば、一時的措置としてアルメニア産品のEU市場アクセスが改善される。対象には、ロシアの貿易制限の影響を受ける分野も含まれ、ロシア向け輸出に依存してきた生鮮果物、野菜、植物、飲料、蒸留酒などの販路転換を後押しする。
欧州委員会は7月中旬までに専門家をアルメニアへ派遣し、生産者や輸出企業に対し、EU基準への対応、新規市場の開拓、輸出能力の強化を支援する。物流面では、輸送、エネルギー、デジタル接続の整備を通じ、地域内外の市場との接続を高める方針だ。EUは南コーカサス向けに最大2億ユーロ規模の接続性関連プロジェクトを用意しており、官民投資を含め最大20億ユーロの資金動員につながる可能性があるとしている。
EUはすでに5200万ユーロのうち3400万ユーロを拠出しており、残る1800万ユーロも近く支出する。これにより、アルメニア向けの金融支援総額は2億8800万ユーロとなる。資金は輸出能力、インフラ、地理的表示、EU市場へのアクセス改善などに充てる。
アルメニアはアゼルバイジャンとの和平進展やトルコとの関係正常化を進めており、EUは地域の安定化と経済回復を支える観点から関与を強める。追加で2000万ユーロの「平和の配当」も打ち出し、医療、地雷除去、技能開発、地域企業支援に充てる。EUの支援は、アルメニア単独の経済支援にとどまらず、南コーカサスを欧州、黒海、中東方面と結ぶ物流・貿易回廊として整備する意味合いを持つ。
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