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船協訪問、邦船3社トップと会談

パナマ外相、拡張工事15年末から遅れる可能性に言及

2014年3月4日 (火)
デ・ソト外相(左)と朝倉会長

デ・ソト外相(左)と朝倉会長

話題パナマのフランシスコ・アルバレス・デ・ソト外務相は3日、パナマ運河拡張工事の工事費用を巡ってパナマ運河庁(ACP)と建設業者連合間の対立が影響し、完工時期の遅れが懸念されていることについて「今般、両者で合意されたとおり、2015年末の完成がパナマ、運河ユーザー双方にとって利益となる。完成時期が2015年末から若干遅れるおそれもあろうが、そうしたことのないよう、関係者間で努力が続けられていると理解している」と述べ、15年末からやや遅れる可能性があるとの見通しを示した。

来日中のデ・ソト外相が日本船主協会を訪問し、朝倉次郎会長(川崎汽船社長)、工藤泰三副会長(日本郵船社長)、武藤光一副会長(商船三井社長)ら、邦船3社のトップと会談し、工藤氏からの質問に答えたもの。

会談では、朝倉会長が14年8月に開通100周年を迎えるパナマ運河の円滑・安全運営への努力に謝意を伝えるとともに、新閘門開通が世界貿易にもたらす好影響への期待を示しつつ、新通航料決定プロセスでユーザーの意見を十分配慮するよう求めた。

これに対し、デ・ソト外相は、マルティネリ大統領に続く自身の日本船主協会訪問について「わが国(パナマ)にとっての日本海運業界の重要性を示すものであり、パナマと日本海運業界のさらなる連携強化は、相互利益拡大のために重要」との見解が示した。

また、パナマ運河の新通航料はACPがユーザーの意見に配慮する方針であることを紹介しつつ、パナマ籍船の品質保持についても「引き続きユーザーの声に耳を傾けつつ、国際基準を適正に満たすよう取り組んでいく」との意向を表明した。

武藤副会長は、「突然の急激な通航料引上げは船社経営の圧迫要素であることから、パナマ運河ユーザーにとっては通航料の安定性と将来予見性が重要である」ことに理解を求めるとともに、新通航料が最終化された後も、ACPとユーザー間で通航料問題だけでなく、通航効率化、安全・環境問題など定期的に意見交換する場を継続的に持つよう要請した。

これに対し、デ・ソト外相はユーザーにとって通航料の安定性と将来予見性が重要であることに理解を示すとともに、「ACPは今後もユーザーと対話を重ねていく方針」だと言及した。