メディカルATカーニー(米国)は9日、先進航空モビリティー(AAM)と配送ドローンによる物流変革に関する論考「医薬品から日用品まで──ドローンはいかに物流を変革し得るか」を公開した。医療配送で社会受容性を高めたうえで、EC(電子商取引)配送を組み合わせ、機体稼働率と収益性を高める統合運用の必要性を示した。
論考では、世界人口の60%が都市に居住する一方、農村部では医療などのサービスへのアクセス確保が課題になっていると指摘。小型配送ドローンは、都市と農村を効率的につなぐ手段となり得るとしている。特に医療物資、スペアパーツ、時間制約の強い書類など、緊急性の高い物品配送で先行利用が進み、今後はECへ用途を広げることが課題となる。
カリフォルニア州を例にした分析では、年間の医療ドローン対応可能市場を2億7500万ドルと評価した。一方、EC全般は70億ドルで、医療配送の25倍の規模に上る。医療配送は単価が高く社会的意義も大きいが、需要だけでは機体稼働率の確保に限界があるため、緊急性の低いEC配送で余力を埋める運用が規模化の鍵になるとした。
ヘルスケア分野では、医薬品配送、都市部での血液サンプル・ワクチン輸送、遠隔コミュニティー向けの血液サンプル・ワクチン輸送、移植用臓器配送の4領域を挙げた。医薬品配送では高頻度注文により資産稼働率を90%超へ引き上げる余地がある一方、薬局密度が高い地域では経済性の確保が難しい場合もある。移植用臓器配送では、1便あたり1万-4万ドルのチャーター便を一部代替できる可能性があるが、保険料、安全データ、航続距離などが課題となる。
同社は、医療配送と一般eコマース配送の双方に機体を供給する運航事業者が、現在75%とされる先進都市での機体稼働率を引き上げ、営業利益率の改善やブランド効果を得られる可能性を指摘した。実装に向けては、小さく始めること、市場を選ぶこと、関係者と早期に協働すること、配送を効率的にスケジューリングすること、急速充電ステーションを追加することが重要になるとしている。
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