調査・データLINE WORKSは9日、全国の従業員1000人未満の流通業を対象に実施した「中小・中堅企業の紙書類利用・ペーパーレスの取り組みに関する調査」の結果を発表した。対象は小売業、卸売業、物流業で働く社員740人。調査期間は3月22日から30日まで。
流通業全体では、70.8%の企業がペーパーレス化に取り組んでいた。一方、「ほぼ全ての業務で問題なく完了している」と答えた企業は9.7%にとどまった。取り組み企業のうち、思うように進んでいない、紙に戻すことを検討している、縮小・中止したとする回答は54.9%に上り、導入後の定着や効果創出に課題が残る実態が示された。
業種別では、小売業でペーパーレス化に取り組む企業が74%と最も高かったが、そのうち57%は停滞や縮小・中止などの課題を抱えていた。物流業では、ペーパーレス化に取り組んでいない企業が32.9%を占め、他業種に比べて取り組みの遅れが目立った。
ペーパーレス化を妨げる要因では、流通業全体で「取引先が紙でのやり取りを求めており、ペーパーレス化が難しい」が最多だった。次いで、押印・サインが必要な紙書類、ファクスによる受発注や連絡業務が挙がった。物流業と卸売業では、取引先都合が最大の障壁となっており、社内のIT化だけでは紙運用を減らしにくい構造が浮かび上がった。
過去1年間の紙書類使用量については、「大幅に減少した」「やや減少した」とする企業は計53.7%だった。残る46.3%では紙書類の使用量がほとんど減っておらず、ペーパーレス化の取り組みが必ずしも紙の削減に直結していない。
今後の方針では、「必要な紙業務は残しつつ、AI-OCRツールや帳票読み取りツールなどでデジタル化・業務効率化を進める」が38.6%で最多となった。「完全なペーパーレス化を目指す」は15.1%にとどまる。受発注、納品、請求、配送現場の帳票など、取引先や現場をまたぐ紙書類が残る流通業では、全面的な紙廃止よりも、紙を前提にしたデータ化や後続業務との連携が現実的な対応になりつつある。
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