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ROMS、ボット1台から広げる新自動倉庫を公開

2026年8月26日 (水)

ロジスティクスROMS(ロムス、東京都品川区)は26日、同社の平和島ラボ(大田区)で新型ケース自動倉庫「NINBUS」(ニンバス)を発表した。ボット1台と棚1連から導入できる小規模構成と、最大4列にケースを保管する高密度設計を組み合わせ、これまで自動倉庫の導入が難しかった狭小地や変形地、低天井の既存施設などへの自動化普及を狙う。

社長の前野洋介氏は発表会で、人手不足や保管スペース不足、出荷能力の向上、設備投資負担に加えて、物流・製造現場の自動化が進むほど「設備が止まるリスク」が重要になることや、製造業において保管効率を高める取り組みが進むとの認識を示した。従来型の自動倉庫は、高い天井やまとまった矩形スペース、大規模な初期投資を前提とするケースが多く、自動化を検討しても条件が合わず断念する現場が少なくなかったという。

「NINBUS」(出所:ROMS)

NINBUSは、こうした導入条件そのものを見直すために開発した新型モデルだ。

ROMSが現在主力として展開する「Nano-Stream」(ナノストリーム)では、棚からケースを取り出すクレーンと、地上で搬送するAGV(自動搬送機)がそれぞれ役割を担う。一方、NINBUSは1台のボットが棚を昇降し、ケースを取り出して、そのまま地上を走行して搬送まで完結させる。

前野氏は「従来はクレーンとコンベヤー、クレーンとAGV(無人搬送車)という形で、それぞれ機能を分化させていた。今回はボット1台だけで全てを行うことで、さらに導入のしやすさ、柔軟性の高さを追求した」と説明した。システムは基本的に三次元ボット、入出庫ステーション、ラックの3要素で構成し、最小ではボット1台と棚1連から成立する。

前野洋介氏

開発の発想も、既存のNano-Streamを置き換える後継機ではないという。クレーンを設置するための直線的なスペースを確保できない場所など、従来方式とは異なる条件の現場を対象とする独立したモデルとして開発した。

NINBUSのデモ稼働を公開

特長の1つが「クワトロディープ」と呼ぶ最大4列の高密度保管だ。ボットは棚の両側へアクセスでき、梁下5.5メートルの倉庫を想定した場合、一般的な軽量棚と比較して最大3倍の保管能力を確保できるとしている。また、有人で棚から商品を取り出す作業と比較すると、4-6倍の生産性を見込む。

棚の高さや配置を施設形状に合わせて変えられることも特長となる。天井高が途中で変わる施設や、矩形ではない変形スペースでも棚を配置できるため、既存建屋のデッドスペースを抑えながら自動化できる。

一方で、ROMSがNINBUSで強調するのは、個々のボットの「速さ」ではない。

「この1個だけの速さを競っても意味がない。自動倉庫はシステムで入れるものなので、いかによどみなくオペレーションを回せるかを考えている」

前野氏はこう述べ、「止まらない、無駄のない自動化」を開発思想として掲げた。個々のボットの最高速度ではなく、複数台が稼働するシステム全体として一定時間内に最大の処理能力を発揮することを重視する。

導入形態でもスモールスタートを打ち出す。棚などの設備を設置したうえで、ボットについてはレンタルで提供することも想定しており、繁忙期など物量の変動に応じて台数を増減できる仕組みを検討する。初期投資を抑え、自動化を段階的に拡張できるようにする考えだ。

想定する導入先は自社物流や3PLなどの物流現場に加え、製造業の部品倉庫や工場内物流。保管やピッキングだけでなく、出荷バッファー、仕掛かり品の一時保管、順立て供給など、同じ棚とボットを複数用途に利用することも見込む。

前野氏はNINBUSで目指す姿について、「フォークリフトが1台あるのが当たり前のように、ロボットが1台あるのを当たり前にしていきたい」と語った。

日本の物流・製造現場には、天井が低い、施設形状が整っていない、まとまった設備投資が難しいといった事情を抱える拠点も多い。NINBUSによって「これまで自動倉庫システムを届けられなかったところ」に自動化を広げる考えを示すとともに、米国をはじめとする海外展開でも同製品をグローバルの旗艦モデルとして位置づける。

なお、ROMSは9月8日から11日まで東京ビッグサイト(江東区)で開催される「国際物流総合展2026」でNINBUSの実機を一般に向けて初公開するほか、9月24日14時からはオンラインによる見学会を予定するなど、新機種の展開を本格化する。

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