ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

[連載第2回] アジアを率いる立脇竜社長に独占取材

「間違いを恐れるな」仏EXOTECが貫く現場至上主義

2026年3月27日 (金)

話題「これは物流の世界の未来だ」、そう直感したシステムが、自らの天職となった。Exotec Nihon(エグゾテック・ニホン、東京都千代田区)の立脇竜社長は、前職時代に自動倉庫システム「Skypod」(スカイポッド)と出会い、その革新性に魅了されて入社を決意した経緯を持つ。

同氏が率いるアジアパシフィック組織には、フランス本社CEOと密に連携しつつも、現場の声を最優先するアグレッシブな社風が根付いている。

▲EXOTEC NIHONの立脇竜社長

特筆すべきは、フランス本社との圧倒的な情報の透明性だ。立脇氏は、ロマン・ムランCEOと毎週、1対1のオンラインミーティング(1on1)を欠かさない。物理的な距離を埋めるのは、単なる報告業務ではなく、経営判断の背景までをもリアルタイムに共有する濃密なコミュニケーションだ。

その議論は、時として激しい「NO」の応酬に発展する。象徴的なのは、あるグローバルな新機能のリリース順位を巡る議論だ。本社側がグローバル戦略に基づいた優先順位を提示した際、立脇氏は「日本の物流現場の品質基準や保守の緊急性を鑑みれば、今この順番で進めるのは現場に混乱を招く」と、創業者であるムラン氏の提案を真っ向から否定した。

▲EXOTECの新本社「Imaginiarum」

普通、気鋭のユニコーン企業の創業CEOに異を唱えるのは勇気が要る。しかし、EXOTECには、現場の視点から「それは違う」と率直に意見を戦わせることが称賛される文化「Exotec Way」が浸透している。結果として、本社側も立脇氏の主張を認め、日本市場の声を反映した形へと計画が修正された。

「間違いを恐れるな」これが立脇氏が運営において最も重視する精神だ。部下に対し、起こってしまった間違いを責めることはない。むしろ、失敗を恐れて報告が遅れることや、停滞することを最大のリスクと捉える。

同氏はスタッフに「ネガティブな情報ほど早く共有しろ」と徹底させている。不具合や間違いを隠さないことで、自社でハードとソフトのすべてをコントロールする「自前主義」の強みを活かした、最速の修正が可能になるからだ。

▲EXOTEC記念室を前に。

「10日前よりも良くなっているか」。現場で起きた問題から逃げずに自ら改善し、顧客の信頼を一つずつ積み上げていく。アジアパシフィック地域社長としてさらなる市場拡大を見据える立脇氏は、各拠点への大幅な権限委譲を進め、現場が主体的に動ける組織づくりを加速させている。

単なる機器販売に留まらず、顧客のビジネスを共に伸ばす「真のパートナー」としての姿勢。その根底には、創業CEOとエリアのトップが本音でぶつかり合える、揺るぎない信頼と透明性があった。

次号(第3回)では、このEXOTECの思想に共鳴し、170年の歴史を持つ老舗重工からパートナーとして名乗りを上げたIHI物流産業システム(東京都江東区)を直撃。気鋭のユニコーンと日本の伝統技術が交わることで生まれる、新たな化学反応の深淵に迫る。

>>特集EXOTEC第1回
総合物流インテグレーターへ、仏EXOTECの飛躍

>>特集EXOTEC第3回
IHIと仏EXOTEC、課題解決に向けた「技術」の共鳴

>>特集EXOTEC第4回
「顧客の成功が誇り」、仏EXOTECが世界戦略強化

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。