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15年3月期決算

日立物流、国際物流の売上2割増、今期からIFRS移行

2015年5月11日 (月)

ロジスティクス日立物流が11日に発表した前3月期決算は、建設機械、小売、高機能材分野などで新規大型案件を稼働させたほか、国際物流で大幅に売上を増やしたことで8.4%の増収となった。しかし、初期投入コストの増加、用車費用や作業費の上昇の影響を補うには至らず、営業利益は1%増にとどまった。

国内物流は、大型新規案件の初期投入コストの増加や用車費用・作業費などの上昇の影響を年度末までにほぼ改善したものの、影響を補てんするまでには至らず、前年度を下振れて推移した。

また、昨年4月には茨城県内(建機保守部品)、6月には富山県内(医薬品など)、7月には埼玉県内、8月には静岡県内、ことし1月には京都府内にそれぞれ小売関連顧客向けの物流施設を開設するなど、事業拠点の整備に注力。

昨年7月には、東日本日立物流サービス(茨城県)と日立物流フロンティア(茨城県)の合併、10月には、首都圏日立物流サービス(東京都)と日立物流オリエントロジ(東京都)の合併を実施するなど、地域事業基盤の強化や経営効率の向上に取り組んだ。

海外では、小売・家電・自動車関連分野などの新規案件を稼働させたほか、前期中に立上げた案件の本格稼働、一昨年5月、7月、10月にそれぞれ連結化した米国のJJB社、香港のCDS社、トルコのMAS社の効果、アジア・中国での3PL案件の収益性向上などで事業規模とともに収益面でも大幅に拡大した。

フォワーディング事業でも海外地域での海上・航空貨物の取扱い増加、米国西岸の港湾混雑の影響による航空貨物輸出入物量の増加もあり、国際物流事業全体で前年度を上振れて推移した。

また、1月にはインドネシアに日用品関連顧客向けの物流施設を開設し、2月には上海自由貿易試験区に貿易決済代行サービスなどを行う現地法人を設立。昨年4月にシンガポールの連結子会社の日立トランスポートシステム・アジアとバンテックワールドトランスポート・シンガポールの合併を実施。1月にはタイ、マレーシアの連結子会社をそれぞれ統合した。

これらの結果、国際物流の売上高は、2583億5400万円(20%増)と大幅に伸長。部門利益はも58億9700万円(2倍増)となった。

今期からIFRS(国際財務報告基準)へと移行し、売上高6900億円、営業利益270億円、税引前利益257億円を見込む。

[日立物流]2015年3月期連結決算(単位:百万円)

 2015年3月期2014年3月期増減 
売上高
677,108624,5048.4%
営業利益
21,19820,9921.0%
経常利益
21,61819,9618.3%
当期純利益
10,9325,433101.2%