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味の素、システイン塩酸塩生産の合弁会社を設立

2016年2月9日 (火)

フード味の素は8日、日本理化学薬品と合弁でシステイン塩酸塩の生産会社を設立すると発表した。合弁会社は2017年度下期に稼働を開始する。新会社は日本理化学薬品が51%、味の素が49%を出資し、5月をメドに「ジェイ・システイン」の社名で栃木県足利市に設立する。

システインは、医薬品、食品、フレーバー用の原料として広く使用されているアミノ酸だが、市場では主に動物由来の原料による抽出品が使用され、大半を中国メーカーが生産。近年の環境規制強化、為替変動、人件費高騰などで供給が不安定になるリスクが高まっていることから、非動物由来のシステイン塩酸塩の供給能力を拡大し、市場ニーズに対応する。

食品、フレーバー用を中心に非動物由来のシステインの需要が高まる中、世界的に供給量が不足しつつある。味の素は13年からシステインの原料となるシスチンの発酵法を用いた生産を開始し、グループ会社でシステイン誘導体を生産してきたが、拡大する需要に供給能力が追いつかず、生産拡大が急務となっていた。

一方、日本理化学薬品社は、システイン生産のパイオニアとして1960年代から医薬原料用を中心としたシステイン誘導体を生産しており、味の素と合弁会社を設立することで、両社の技術を組み合わせ、非動物由来のシステイン塩酸塩の供給能力を拡大する。