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日通総研調べ、7-9月の荷動き「V字回復」

2011年10月25日 (火)

ロジスティクス日通総合研究所は25日、企業物流短期動向調査(日通総研短観、9月調査分)の結果を発表した。国内向け出荷量「荷動き指数」の7-9月実績(見込み)は、前期(4-6月)実績より22ポイント上昇し、+1とV字型の回復を果たした。さらに10-12月見通しでも4ポイント上昇して+5となり、荷動きはほぼ前年度水準まで戻りつつある。

 

10-12月見通しの輸送機関別「利用動向指数」は、国内航空を除いて小幅ながら上昇し、一般トラック、特別積合せトラックではプラスに浮上する見込み。一方、内航コンテナ、国内航空では2ケタのマイナスが続き、利用の回復は当面期待できない。

 

10-12月見通しの輸出入貨物量荷動き指数は、国際航空の輸出で横ばいで推移する一方、それ以外の輸送機関では小幅の低下が見込まれる。荷動き指数がプラスとなるのは外貿コンテナの輸入のみで、総じて荷動き回復の足取りは重い。

 

■調査項目別の概要は次の通り。
国内向け出荷量
7-9月実績(見込み)の業種別「荷動き指数」は、大半の業種で4-6月実績からの改善がみられ、全15業種中8業種がプラスとなった。中でも輸送用機械は63ポイントの大幅な上昇を示した。10-12月見通しは、10業種がプラスを示す一方、一般機械、精密機械がマイナスに落ち込むなど、6業種で荷動き指数の悪化が見込まれており、業種によって明暗が分かれる。

 

輸送機関利用
7-9月実績(見込み)の輸送機関別「利用動向指数」は、すべての輸送機関でマイナスを示したものの、前期(4-6月)実績よりは改善し、一般トラック、特別積合せトラックでは小幅なマイナスにとどまった。10-12月見通しは、国内航空を除いて小幅ながら利用動向指数が上昇し、一般トラック、特別積合せトラックではプラスに浮上する見込み。一方、内航コンテナ、国内航空では2ケタのマイナスが続き、利用の回復は当面期待できない。

 

輸出入貨物量
7-9月実績(見込み)の荷動き指数は、外貿コンテナの輸出・輸入、国際航空の輸出・輸入とも前期(4-6月)実績より上昇し、外貿コンテナの輸入ではプラスに反転した。10-12月見通しは、国際航空の輸出で横ばいで推移する一方、それ以外の輸送機関では小幅の低下が見込まれる。荷動き指数がプラスとなるのは外貿コンテナの輸入のみで、総じて荷動き回復の足取りは重い。

 

在庫量と営業倉庫利用
7-9月実績(見込み)の在庫量と営業倉庫保管量は、すべての「動向指数」が前期(4-6月)実績より上昇し、いずれもプラスに反転した。10-12月見通しは、いずれの動向指数も悪化の方向に向かい、営業倉庫保管量ではプラスを維持するものの、原材料在庫、製品在庫では再びマイナスに転じる。このため、在庫圧縮、営業倉庫保管量の削減圧力が若干強まる見通し。

 

運賃・料金
7-9月実績(見込み)の動向指数は、すべての機関でプラスとなった。前期(4-6月)実績との比較では、総じて小幅の変化で推移した。10-12月見通しは、すべての機関で小幅ながら引き続きプラスとなる。一般トラック、特別積合せトラックで動向指数が1ポイント上昇し、内航コンテナで1ポイント低下する一方、それ以外の機関では横ばいで推移する見通しで、運賃・料金水準の大幅な変動は見込まれない。

 

物流コスト割合
7-9月実績(見込み)の動向指数は、全15業種中13業種がプラス、2業種がマイナスで、業種全体では+10と、前期(4-6月)実績からは強含み横ばいで推移した。10-12月見通しでは、総じて大きな動きはみられず、業種全体の動向指数は弱含み横ばいで推移する。この結果、物流コスト割合は上昇が続く見通し。