調査・データ国際航空運送協会(IATA)とエアバス、アクセンチュアは14日、企業によるSAF(持続可能な航空燃料)の環境価値証書購入が、2030年までに100万-190万トン分のSAF需要を支える可能性があるとの調査結果を公表した。24年の推計32万3000トンから大幅に拡大する余地がある一方、価格の高さや会計ルールの不明確さ、購入手続きの複雑さが普及の壁になっている。
調査は、企業が出張や航空貨物輸送で発生するスコープ3排出量の削減に、SAFの環境価値証書「EAc」を活用する市場を分析した。SAFそのものを購入企業の利用便に直接投入しなくても、ブック・アンド・クレーム方式を通じて削減効果を企業側に割り当てる仕組みを想定する。航空会社だけでなく荷主などもSAFの追加コストを分担することで、市場拡大につなげる狙いがある。
IATAによると、26年の世界のSAF生産量は240万トンにとどまり、ジェット燃料全体の0.8%程度にすぎない。価格も従来型ジェット燃料の2-3倍の水準にある。調査対象企業のうち、現時点でSAF関連証書を購入している企業は約15%にとどまり、多くは価格低下や炭素会計ルールの明確化、購入方法の簡素化を待っているという。
SAF EAcの価格は、CO2換算1トンの削減当たり150-500ドル程度で、企業側が支払い可能とする水準は300ドル前後だった。また、企業向けSAF証書の供給元では航空会社が53%を占める。IATAなどは市場拡大に向け、削減効果を確実に認識できる統一的な会計ルール、二重計上を防ぐ追跡システム、最低購入量や契約期間を抑えた簡素な購入制度が必要と指摘した。
IATAは企業需要だけで航空分野が必要とするSAF規模を賄うことはできず、政府による支援や生産能力の拡大も不可欠とする。ただ、航空貨物を利用する荷主企業などがスコープ3対策として市場に参加できれば、SAFの追加コストを航空会社だけで負担する構造を緩和し、生産投資を促す需要シグナルになるとしている。
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