財務・人事センコーが7日発表した前3月期決算は、営業利益が22.3%と大きく伸び、最終利益も25%増の65億300万円となった。
燃料費の上昇やドライバー・車両不足による外注費の増加があったものの、増収効果やコスト削減効果、生産性向上活動の成果、会計基準の改正に伴う特別目的会社の連結子会社化の影響により、営業利益が拡大した。
前期は首都圏にファッション物流に特化した「東京ベイ・ファッションアリーナ」(千葉県市川市)を、関西に医療・医薬業界向けの「北大阪PDセンター」(大阪府茨木市)を新設したほか、北海道と中部地区の事業基盤を強化するため「札幌PDセンター2号倉庫」(札幌市)、「小牧第2PDセンター」(愛知県小牧市)をそれぞれ稼働させた。
住宅物流事業では、中部地区の住宅資材のハブ拠点となる「中部住宅物流センター」を名古屋市に開設。スマートフォンとGPSなどを活用した輸送管理システムを開発し、特許取得するなど物流サービスの向上を図った。
また、重量物配送の全国ネットワークを完成させ、家庭用蓄電池の配送・据付を開始するなど、新たな事業の開発に取り組み、ケミカル物流事業では「大門物流センター」(滋賀県守山市)に危険物倉庫を含む2棟の新倉庫を増設。荷主と共同で2隻のアスファルトタンカーを建造し、韓国と日本を結ぶ航路で就航させた。また、独自のノウハウを持つバルク輸送の販売拡大に力を入れ、新たな業務を受託した。
海外では、タイで日系自動車工場向けの自動車部品の調達輸送を開始したほか、日系化学メーカーの工場内物流なども開始。中国では青島で日系小売店向けに物流センターを開設するとともに、蘇州で住宅物流事業を本格稼働させた。また、韓国の釜山新港に、韓国と日本、第三国間の輸出入貨物を取り扱う「KO-SENKO物流センター」を開設した。
商事・貿易事業は2013年10月、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの家庭用紙の卸売業者として国内最大規模のアストをグループに迎えたほか、物流業界で大量に発行されている送り状の管理や問合せ対応を効率化する「送り状検索システム」を業界で初めて開発し、販売を開始。全国7か所の物流センターの屋根を利用した太陽光発電事業も開始した。
今期は連結売上高3800億円、営業利益140億円、最終利益74億円を見込む。関東、中部、関西地区に新たな物流センターを開設するほか、ファッション物流事業の営業体制を強化する。また、関東・中部・関西・九州の都市圏を中心とした小口貨物の配送ネットワークの構築にも取り組む。
海外では、東アジア、ASEAN、中央アジア、北米の4エリアを重点拡大地域として、特にタイを中心としたASEAN物流網の構築に注力。燃料価格や外注費の上昇などのコストアップ要素を価格に転嫁する取り組みで料金改定を進める。
このほか、ドライバー不足を解消するため「人材確保育成プロジェクト」を設置し、自社勢力の増強を図るとともに、物流品質の向上を進める考え。
[センコー]2014年3月期連結決算(単位:百万円)
2014年3月期 | 2013年3月期 | 増減 | |
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売上高 | 333,883 | 293,534 | 13.7% |
営業利益 | 12,122 | 9,908 | 22.3% |
経常利益 | 11,305 | 10,100 | 11.9% |
当期純利益 | 6,503 | 5,202 | 25.0% |