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基本策とさらなる安全対策で多重チェック

国交省、鉄道貨物の偏積対策で中間とりまとめ

2014年12月26日 (金)

ロジスティクス国土交通省は25日、鉄道貨物輸送の偏積対策検討会で中間とりまとめを行った。

同検討会は、2012年4月26日に江差線で発生した脱線事故の主要因が積み荷の偏積だとする運輸安全委員会の報告を受け、日本貨物鉄道(JR貨物)によるその後の測定で偏積を確認、検討会で対策を検討することになった。

検討会では、コンテナが封印されていることからJR貨物がコンテナ内の積付け状況を確認できない状態で、取り扱うコンテナ数も膨大なため、全数の重量測定が現実的でなく、利用運送事業者も偏積が発生しない適切な積み付け方が現場作業員に周知されていないといった課題が浮上。

中間とりまとめでは、基本的な取り組みとしてJR貨物が貨物運送約款に基づき偏積にならない積み付け方を徹底するよう利用運送事業者に周知するとともに、コンテナ積付けガイドラインで適切な積付け方を示し、利用運送事業者は現場作業員に対する周知と訓練の実施、ガイドラインに基づく積付けマニュアルを整備することとした。

さらに、JR貨物は測定対象コンテナを観直した上で、重量計、トップリフターによる測定を実施するため、配備駅数の拡大に取り組み、開発中に輪重測定装置を用いて偏積をチェック。利用運送事業者はコンテナ内の積付け状態を写真撮影し、写真のサンプリング調査に協力。偏積が確認された場合は積付けマニュアルに反映するとともに、現場で積み直しを行う。

これら基本的な取り組みとさらなる安全対策を徹底するため、偏積が発見された場合に迅速に措置できるよう、関係者間の連絡体制を常時確認し、偏積の防止と継続的な重量測定などによる新たな積荷の偏析に対応する。

検討会は今後、運輸安全委員会による事故調査や輪重測定装置の技術開発の状況などを踏まえて開催する。

国交省、鉄道貨物の偏積対策で中間とりまとめ