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ユニチカ、ガスバリア性能に優れた食品包装フィルムを開発

2015年1月7日 (水)

サービス・商品ユニチカは7日、ボイル・レトルト食品向けに高いガスバリア性能を持つ新規の食品包装用ナイロンフィルム「エンブレムHG」の開発に成功したと発表した。既に京都・宇治事業所の既存生産設備で生産方法を確立、顧客へのマーケティング活動を開始した。

食品包装分野では、透明性の高いガスバリア包装材として透明蒸着フィルムが多く使用されているが、製袋時の熱シールや輸送中の屈曲といった物理的ストレスにより、バリア性能が低下し、食品を長期間保持するのに限界があるという問題点を抱えていた。

今回、ユニチカが開発したエンブレムHGは、柔軟性のある有機系バリア層とナイロンフィルム基材からなるコーティングフィルムで、ボイル・レトルト用途に対する高ガスバリア性能の保持、物理的ストレス耐性の高いのが特長。

レトルト処理後に屈曲・伸長といったストレスを与えてもバリア性能に劣化がなく、従来の透明蒸着フィルムよりも食品の色目保持効果が格段に高いことを確認した。

また、一般のナイロンフィルムと同じ耐ピンホール性能を持っているため、従来の3層構成(透明蒸着フィルム、ナイロンフィルム、シーラントフィルム)を、2層構成(エンブレムHG、シーラントフィルム)にすることが可能。

食品保存性についても、真空包装されたボイル・レトルト食品、殺菌処理後高温多湿条件での保存試験を実施し、真空包装による屈曲・伸長といった変形ストレスでボイル・レトルト処理後の酸素バリア性の劣化がなく、高温多湿条件での長期保管による酸素バリア性の低下も見られないことから、透明蒸着フィルムよりボイル・レトルト食品に対して良好な色目保持効果を確認した。

今年度は大型機台への設備改造投資に着手する計画で、2016年度以降、年間1000トンの販売を目指す。

ユニチカ、ガスバリア性能に優れた食品包装フィルムを開発

▲出所:ユニチカ