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中央環状全通で渋滞損失減少、1.2万人の労働に匹敵

2015年4月27日 (月)

拠点・施設東京都は24日、首都高速中央環状線の全線開通後、1か月間の利用状況をまとめた。首都高速湾岸線-3号渋谷線の開通によって全線が開通したことにより、都心に集中する交通の分散が図られた。

中央環状全通で渋滞損失減少、1.2万人分の労働に匹敵

(出所:東京都)

都心環状線の交通量は5%の減少(前年比)ながら、渋滞損失時間は中央環状線内側で5割減少、首都高速全線でも4割減少した。都では、首都高速全線の渋滞損失時間の減少分が1万2000人分の労働力に匹敵すると試算している。

また、混雑緩和に伴う所要時間のばらつきの減少により、定時性が向上。例えば、新宿から羽田空港までのばらつきが30分から15分に半減し、利用者にとってリスク(遅れ)を見込んでいた無駄な行動時間の軽減につながるとみられる。

これらの効果は経済活動にも波及しており、羽田空港のリムジンバスでは4月のダイヤ改正から、混雑時の所要時間が最大15分短縮して設定。定時性の向上と合わせて、利便性が大幅に向上しているほか、物流や観光事業でも具体的な効果が現れはじめている。

一般道路は、今回開通した区間と並行する山手通り、環七通りなどから中央環状線への交通転換が図られたのに伴い、混雑している時間帯の所要時間は1-3割の短縮がみられた。

山手通りに並行する区道でも大型車の交通量が減少し、自転車走行の安全性向上につながっている。

ヤマト運輸では「羽田エリアの物流ターミナルと渋谷エリアの営業所間の輸送は、中央環状線を利用することで到着時間が短縮された。また、到着時間の予測がしやすくなった」と評価。

東京港から埼玉方面に国外で製造された製品を主に背高コンテナで配送している日本高速輸送では「大井埠頭から戸田・上尾方面への配送の場合、開通前は葛西JCT経由で中央環状線の東側区間を利用していたが、今回開通した中央環状線の西側区間を利用することで、所要時間が30分程度は短縮された」として、所要時間の短縮効果を確認した。